塗るAGA治療薬のミノキシジル。
発毛に大きな効果のある一方、副作用も可能性があることを理解し、適切な使い方をしなければなりません。
副作用の可能性は低いですが、どんな症状が起きるのか把握しておくことで、いざという時すぐに対処することができます。
このページでは、ミノキシジルで具体的にどのような副作用があるのか、副作用が起きた時にどう対処すればいいのか、徹底的にまとめました。
ミノキシジル育毛剤の発毛効果は素晴らしいが・・・
ミノキシジルには毛根に栄養をたくさん届けて、育毛を促進する効果があります。毛の根元部分にある毛細血管を拡張させる作用があり、髪の成長に必要な栄養素を運ぶための道幅が大きくなるため、よりたくさんの栄養素を行き渡らせることが可能となり、髪が成長しやすくなるという仕組みです。
また、ミノキシジルには髪の毛の細胞が死滅を抑制することで、髪の成長期間を長くさせたり、細胞自体を増殖させる効果も報告されています。
しかし、副作用もあるので注意が必要です。
ミノキシジルはもともと血圧降圧剤であり、血圧に変化を与えるおそれがあります。そのため、高血圧や低血圧の症状がある方は使用することができません。
また、腕や胸などの体毛が濃くなる場合もあります。それ以外では頭皮のかゆみや顔面のニキビなども比較的多くみられる副作用です。
女性が5％のミノキシジルを使用した場合の安全性は確認されていません。そのため、1～2％の濃度を含有している商品の使用が望ましいです。
ミノキシジルで起こり得る副作用とは
体毛が濃くなる
血管を拡張することで、血流が良くなり、頭皮以外の全身の毛根にも栄養を豊富に届け、育毛環境が良くなることが大きな要因です。気になる方は、定期的なムダ毛処理や脱毛が必要となります。
頭皮のかゆみ
薬剤と頭皮の肌質が合っていないことが原因で起こります。対処法としてはミノキシジルの使用停止しかありません。無理をして使用を継続することで、育毛どころか反対に頭皮環境が悪化して、毛根が死滅してしまう可能性もあり危険ですので絶対にやめましょう。他の育毛剤や内服薬の使用を検討するのが望ましいです。
アレルギー症状
今までに医薬品や化粧品などで発疹、かぶれ、かゆみなどのアレルギー症状を起こしたことがある人は発症する可能性が高いので、病院でアレルギーチェックをしてもらいましょう。
血圧への影響高
もともと血圧降下剤であるため、血圧に影響を及ぼす可能性があります。高血圧、低血圧のある方は使用が禁止されています。
心臓や腎臓への影響
心臓や腎臓に病気のある方は影響を及ぼす可能性があるため、使用を控えるようにしましょう。
むくみ
血圧の変化によりむくみの症状が強くなるおそれがあります。
なぜ、ミノキシジルで副作用が起きるのか？
ミノキシジルはアメリカのアップジョン社という製薬会社が開発をしたもので、もともとは高血圧患者向けの血圧降下剤として使われていました。血管を拡張させる作用によって、血液の流れが良くなります。すると、圧力を高くかけなくとも血液循環がスムーズになるという仕組みです。
血管を拡張することで、頭皮の毛根へ栄養素を届けて育毛効果を出す一方、血管は体中を通っているため、他の部分への影響を様々な形で出てきます。しかし、ミノキシジル自体は血圧の薬ではなく改良されたものなので、必ず副作用が出るというわけではなく、可能性としてある。ということです。
副作用のリスクもあるが、薄毛対策として効果的なのも事実
ミノキシジルにはどの程度の効果があるのか見てみましょう。
以下のデータはリアップX5を継続使用したものです。これは、大正製薬が販売している製品であり国内で唯一ミノキシジルが5％含まれている育毛剤です。
男性のAGA治療においてはミノキシジル濃度は5％が一般的ですが、女性の場合は副作用のおそれが大きいため1～2％濃度の女性用のものを選ぶようにしてくださいね。
これは約1年間使用を継続した際に、医師が4週間ごとに発毛効果の評価をしたものです。
1年経過後には94％の改善があったとされていますが、2カ月時点では12％、3カ月時点でも59％程度にとどまっています。半年後では90％を上回っているため、すぐに効果の実感がなくとも諦めずに、半年程度は使用を継続していくことが大切であることがわかります。
こちらは、医師ではなく被験者自身が発毛をどれだけ実感しているかのデータです。
１年後には約90％の人が効果を実感しており、先ほどの医師のデータとほぼ同じ結果となっています。ただし、半年経過の時点では80％程度の育毛実感となっており、客観的な医師のデータよりも若干低めとなっています。自身では後頭部や頭頂部などが確認し辛いことも関係していると思われます。
これは被験者頭部の1ｃｍ四方中での髪の毛が増えた本数を示したグラフです。
半年間観察を続けた結果、最終的には平均21.6本増えていました。最初の4週目には1.4本であったところから考えても、明らかな見た目の変化が起きていることかと思われます。
これは、もともと生えていた髪の毛の太さの変化を表したグラフです。
1㎠あたり40μm（軟毛の太さレベル）以上の髪の毛が半年後には約26本になっています。最初4週目では0.8本であったことを考慮すると、見た目に多大な変化があるはずです。ミノキシジルには発毛作用の他にも、今ある髪の毛を太くする作用があることが証明されました。
以上のデータに基づいてみると、多大なメリットがあることがわかります。体毛が濃くなる等のデメリットと比較しても、メリットの恩恵のほうが圧倒的に大きいと言えます。
どうしても副作用でミノキシジルが使えない場合には
しかし、頭皮の肌質に合わない場合には無理をせずにプロペシア等他の発毛医薬品を使用しましょう。無理に続けてしまうと、他の方法も効果がなくなる場合があるので、速やかに使用を停止することが大切です。
プロペシアの海外個人輸入の場合、費用が安く済ませられ、インターネットで注文をするだけなので時間もとられません。その場合は、信用できるサイトで購入をしなければ、偽物をつかまされてしまう可能性もあるので、注意が必要です。信憑性のある会社で購入するようにしましょう
また、AGAクリニックへ行って医師の指示に従うことで、頭皮の性質にしっかりと合った薄毛対策を行うことができます。ただし、時間やお金がかかってしまうのが難点です。
市販の医薬部外品の育毛剤の場合、安全性も高く気軽にドラッグストアで入手することができますが、有効成分に信ぴょう性があるかどうかを調べる必要があります。
目安となるのは、公益社団法人日本皮膚科学会が発表している「AGAガイドライン」です。成分によってランク分けがされており、Aランクは「行うことを強く勧められる」が基準となっているため、2種類しか存在していません。（2016年6月現在）
- フィナステリド…プロペシアに含まれる有効成分
- ミノキシジル…リアップに含まれる有効成分
Aランク以外の場合、発毛治療の効果実感が乏しくなるおそれがあります。
ミノキシジルの副作用まとめ
効果がすぐに表れなくとも、半年後から発毛の実感がある方が多いので、とにかく根気強く続けてみましょう。
ミノキシジルの副作用を少しでも感じた場合は、まずは服用を中止することが先決です。その上で、AGA専門クリニックなどで医師の判断を仰ぐことが大切です。
治療方法はミノキシジル以外にもありますので、頭皮のためにも無理をすることだけは絶対にやめてくださいね！