ただ髪を洗っているのに、それが薄毛の原因となっているというのは衝撃です。
原因は3つあります。
- 皮脂のとり過ぎ
- 強すぎる洗浄力で毛根がダメージ
- 過剰なマッサージ
1と2は使用するシャンプーも原因となっています。
皮脂を取り過ぎる問題
「 脂性だと薄毛の原因になる 」を、間違った認識で覚えている人が多いようです。
頭の皮脂が悪者のように言われ、皮脂を洗浄することや、毛穴に詰まった皮脂を取り去ることが薄毛改善に良いという風潮すらありますが、皮脂は決して悪者ではなく、頭皮になくてはならない大事な働きをしています。
皮脂の役割
- 頭皮の乾燥を防ぐ( 保湿 )
- 雑菌の侵入、感染を防ぐ
- 殺菌作用( 弱酸性に保ち悪玉菌の繁殖を抑える )
もし、強い洗浄成分で皮脂を全て洗い流してしまったら、頭皮が乾燥し、フケの原因にもなります。また、乾燥は痒みの原因になり、掻くことで頭皮に傷が付きやすくそこから炎症を起こす原因になることもあります。
皮膚に常在している良い菌(善玉菌)も全て洗い流してしまうと、悪玉菌が増え臭いの原因や痒み、炎症の原因にもなり、より清潔に保とうと頻繁に洗ってしまえばより頭皮環境を悪化させる悪循環となります。
皮脂は取れば取るほど分泌される
皮脂を洗い流せば皮脂は分泌されます。それは先述の通り、皮脂にはバリアの役割があるためです。強い洗浄成分で過剰に取れば過剰に分泌されます。皮脂を取り過ぎないのが健全な頭皮環境を保つ秘訣です。
強すぎる洗浄力で毛根がダメージ
強い洗浄成分が頭皮の環境を悪くします。ここで重要なのは、強い洗浄力を持ったシャンプーを使うことです。
強い洗浄成分とは主に界面活性剤。これはコンビニ、薬局で手軽に買えるシャンプーの殆どに入っています。
成分名でいうと、ラウレス硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸アンモニウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、スルホン酸ナトリウムなど。
これらの原材料は石油原料から作られ、安価の為、大量生産に向いています。また、強い洗浄力から頭皮の脂、汚れ、整髪料などをしっかり洗浄するので、洗った直後のさっぱり感が得られます。
しかし、先述の通り、皮脂を取り過ぎると皮膚本来が持っているバリア機能を失うだけでなく、この洗浄成分は毛穴にも浸透し、タンパク質を変性させてしまう、つまり毛根にダメージを与えると言われています。
毛根のダメージは今現在生えている毛髪よりも、これから生み出される毛髪に影響が大きく、ダメージが重なることで正常な毛髪が育たない環境を作ってしまいます。
想像する以上にシャンプーの害は大きいのです。
食器洗い洗剤を毎日使うと、手の肌が荒れたり、あかぎれになったりしますがこれと同じようなことを頭皮にしているということになります。頭皮が荒れると痒み、フケの原因となり、これがゆくゆくは脱毛、薄毛に繋がるとも言えます。
まずは、低刺激のシャンプーを選ぶこと。最近では界面活性剤不使用のものも増えています。そして余裕があるなら育毛シャンプーも良いと思います。
一般的に育毛シャンプーと呼ばれるものは、発毛の効果はありませんが、頭皮を優しく洗浄し、頭皮環境を整える事ができます。
一般的なシャンプーより割高で3,000円代~5,000円程度と高めですが、安価で強い洗浄成分を使っておらず、さらに頭皮の健康を保つための成分が使われているので割高になってしまうのです。
良いシャンプーを使用していればコンディショナー、リンスなど毎日する必要はありません。安価なコンディショナーは髪をつやつやに潤って見せるために界面活性剤を使用しているものが多いです。
死んでいるというか、血の通っていない細胞である毛髪に外部から潤いを与えるためには、つやつやに見える成分を吸着する強い力が必要です。これらが逆に頭皮の負担になっている場合も多く、さらにこの強い吸着を洗い流すために強い洗浄力が必要になるという悪循環を産みます。
コンディショナー・リンス・トリートメントを使用する場合でも成分表示を見て品質の良いものを選ぶ事が大切です。
詳細はシャンプーの選び方へ
毛穴に詰まった皮脂は悪者か?
毛穴に詰まる皮脂が原因で薄毛になるという説も、今となっては根拠が少なく、信憑性の低い話です。
毛穴をマイクロスコープで見ると、確かに毛穴に皮脂が詰まって見えますが、これらは髪が成長するにつれ、皮脂の塊もつられて浮き上がるので、そこに留まり毛穴を詰まらせることはありません。
また、毛穴が詰まるとニキビのように雑菌が繁殖し炎症を起こしますが、顔と違って頭皮でニキビのようなものが出来ることは稀です。つまり、毛穴に皮脂が詰まることはあまり頭皮では起こらないともいえます。
実際、ヘアサロンやヘッドスパでは「こんなに毛穴に皮脂が詰まっています」という状態を見せてくれますが、これを綺麗に洗い流せば薄毛が改善しますということは言いません。
過剰な頭皮マッサージもダメ
詳しくはマッサージの項で説明しますが、マッサージはあくまで頭皮の血行を促進するために行います。
しかし、覚えておきたいのは、血行が良くなるのはマッサージの直後のみである、ということ。
また、強い洗浄成分が入ったシャンプーを使いながらマッサージすると、より毛根を痛める可能性があるため、正しい方法でマッサージすることが大切です。というのも、生えたばかりの毛髪は弱く、シャンプー時のマッサージで抜けてしまうこともあるからです。
詳細はマッサージへ