薄毛対策や育毛にも良いと言われる亜鉛ですが、取り過ぎてしまうと、弊害が起きてしまいます。
具体的にどうなってしまうのか?適切な取り方はどうなのか?調べてみたら大変なことがわかりました。
亜鉛の髪の毛への効果と作用
亜鉛はミネラルの一種であり、育毛の他にも抗酸化作用、免疫力活性化、タンパク質合成、新陳代謝、細胞分裂、アルコール分解など様々な働きをしてくれる、身体にとって欠かすことのできない栄養素です。
これだけ多くの働きをするからこそ、必要量は多いのですが、体内に蓄えておくことができないのが難点です。亜鉛不足を避けるには常に亜鉛を摂取し続けることが必要です。
髪の毛に対しては2つの重要な役割を担っています。
1つ目は、髪の毛を作る役割です。髪の毛の90%以上はケラチンと呼ばれるタンパク質で構成されています。タンパク質といっても様々な種類があり、ケラチンはその中の1つです。ケラチンは最初から存在するものではなく、タンパク質が変換されて出来上がるものですが、亜鉛が不足すると、この変換がスムーズにいかなくなってしまいます。
2つ目は、薄毛の原因となるジヒドロテストステロンを抑える効果です。この物質は男性ホルモンの一種であるテストステロンが変換されて生成されます。
変換するには5αリダクターゼと呼ばれる酵素が必要になるのですが、亜鉛はこれを阻害してくれるため、ジヒドロテストステロンの分泌を抑えることができ、結果的に薄毛抑制効果が表れます。
亜鉛の過剰摂取や欠乏で起こり得る一般的な障害
亜鉛は取りすぎても少なすぎても身体に問題が起こってしまいますので、しっかりとバランスよく摂取していくことが大切です。
そして、亜鉛は体内に蓄積することができない為、効果を高めようとどれだけ多く摂取したとしても体外に排出されてしまいます。
それだけであれば、あまり問題はないのですが、急激に亜鉛が増えることで、体内のミネラルバランスが崩れ、貧血の症状が出てしまいます。亜鉛、鉄、銅などのミネラルは微妙なバランスを保っているのですが、亜鉛が増えることで、鉄や銅が不足してしまい、貧血になってしまうのです。鉄や銅が不足すると、その他に、免疫機能の低下、白血球の減少、コレステロール値の異常などのおそれがあります。
また、めまいや頭痛、発熱、嘔吐、倦怠感、肝臓障害、下痢、肌の老化、脱毛などの症状が出ることもあります。サプリメントを摂取する際は、食べ物の亜鉛量も考慮した上で、摂取量を決定することが必要となってきます。
逆に、摂取量が少なすぎても亜鉛欠乏症となり、身体に影響が出てきます。男性の場合、前立腺障害、EDになる可能性が高まります。またその他にも、味覚障害、皮膚炎、骨粗しょう症、免疫機能低下、脱毛症状も起こるため、注意が必要です。
亜鉛を取り過ぎると髪の毛はどうなってしまうのか?
亜鉛を取りすぎると、脱毛が増えてしまう可能性があります。薄毛に効くはずの亜鉛も取りすぎてしまうと逆効果になるのです。
薄毛の原因はテストステロンが5αリダクターゼと結合して生成される、ジヒドロテストステロンです。
亜鉛にはもともと5αリダクターゼとの結合を阻害する役割がありますが、テストステロンが急激に増加してしまうと、結合阻害が追い付かなくなってしまい、ジヒドロテストステロンが多く分泌されるため、必要以上の亜鉛摂取は逆効果になってしまいます。
亜鉛の適切な取り方と摂取量について
厚生労働省は亜鉛の食事摂取基準を1日10mg推奨とし、40mgを上限量としています(女性の場合、8mg推奨、35mg上限)。上限30mgとの説も多いですが、2015年改訂によって増加したようです。
(参考:厚生労働省 日本人の食事摂取基準(2015年版)の概要)
亜鉛を多く含む食品としては、牡蠣、ビーフジャーキー、パルメザンチーズ、煮干し、レバーなどがありますが、これらを毎日摂取することは難しいかと思います。
そこで亜鉛が含まれたサプリメントを活用することで、毎日推奨量の亜鉛を摂取していくことができます。サプリメントには様々な種類がありますが、まず注目すべき点は亜鉛含有量です。
あまりにも少なすぎるものや多すぎるものは避けましょう。1粒に大量に含まれているものよりも、飲む数によって調整できる程度のものが良いです。食事内容に合わせて、臨機応変に変化させることが大切です。
亜鉛の原材料が記載されているかどうかも重要なチェックポイントです。毎日、身体に入れるものなので、天然の食材から亜鉛を抽出しているものだと安心して飲むことができます。また、合成原料よりも天然由来の方が、吸収率も優れているといわれています。
亜鉛単体だけではなく他の成分が含まれているかどうかもチェックが必要です。
例えば、ビタミンCが配合されている場合、亜鉛の吸収率を高める効果があるので、より効果の実感ができるはずです。
銅が含まれているものも多いですが、これは体内でのミネラルバランスを保つ効果があります。銅には髪の毛や肌を健康に保つ働きもあり、髪の毛の脱色を防ぐことで、しっかりとした髪を育毛する相乗効果が期待できます。
まとめ
近年では適度な亜鉛摂取で大腸がんを予防することができたり、過剰摂取でがんリスクが高まったりといったがんとの関連性も問われることが多くなってきているようです。
育毛対策として摂取する場合、食品だからといって適当に摂取するのではなく、1日の上限量を守っていくことで、髪の毛に良い効果が出てくるはずですよ!