プロペシアは薄毛の人には心強い育毛剤ですが、便利である一方、服用する前には副作用のリスクも理解しておく必要があります。
副作用のほとんどは軽い症状なので問題になることはありませんが、肝機能に影響した場合、大きな問題に発展する可能性もあります。
副作用が肝臓に及んだ場合、どんな症状が起こり得るのか、詳しく調べてみました。
プロペシアの主な副作用とは
プロペシアには以下のような副作用の危険性があるとされていますので、服用前に確認し、安全に薄毛治療を行えるようにしましょう。
・肝臓の酵素値上昇……プロペシアの有効成分であるフィナステリドは肝臓で代謝されます。服用中に肝臓の酵素が上昇した報告もあるので、肝機能障害のある方は医師に相談の上、服用するようにしましょう。
・女性の胎児への影響……女性が錠剤に触れると、男の子を妊娠中だった場合、生殖器官などの正常な発育に影響を及ぼす可能性があります。触れるだけで皮膚から成分を吸収し血液の流れにのってしまいます。
・献血の制限……献血センターの定めでは、プロペシアを服用している方は服用中止から1カ月間献血を制限しています。これは、ちょうどプロペシアの有効成分が身体から抜けるとされている時期と同じくらいです。商品名がプロペシアでなく、ジェネリックであっても有効成分は同じなので注意しましょう。
・男性機能低下……アメリカFDAはプロペシアがED症状、勃起不全、射精不全のおそれがあることを注意事項に追加するよう、MSD社に対して要請をしています。
肝臓の数値が悪化して肝機能障害のリスクがある
肝臓には大きく分けて3つの働きがあります。
・代謝……食べ物の栄養素を体内で使えるエネルギーに変換。
・解毒……アルコール、薬、老廃物などの成分を分解して無害化。
・胆汁の生成、分泌……肝臓から出た老廃物を流したり、脂肪の消化吸収を手助け。
このように肝臓はその働きが幅広いため、機能障害が起こったときの影響もまた大きくなります。プロペシアのような薬剤に限らず、食品に分類されるサプリメントやハーブなどの自然食品の摂取によっても薬物性肝障害が起こる可能性もあります。
薬物性肝障害には、中毒性とアレルギー性のものがあります。
アレルギー性肝障害
薬物性肝障害のほとんどがこちらに分類されます。薬が肝臓で代謝、分解されたあとに、体内には存在しない異物だと判断されて、アレルギー反応が起こります。
薬は少量でも起こります。また、今までは問題のなかった薬に突如アレルギー反応が起きる可能性もあるため、使用前の予測がつきにくいです。
中毒性肝障害
肝臓の代謝、解毒能力よりも多い量の薬を服用することで起こります。単純に薬の摂取量が多いので判断がつきやすいです。
服用前に抑えておきたい肝臓検査の数値
肝臓を守るためにも、肝臓検査が大切になります。血液検査数値で注目すべき3つの値がありますのでチェックしてみてください!
AST(GOT) | ALT(GPT) | γ-GTP | |
---|---|---|---|
重度 | 500~ | 500~ | 500~ |
中等度 | 100~500 | 100~500 | 100~500 |
軽度 | 30~100 | 45~100 | 50~100(32~100) |
基準値 | 8~30 | 4~45 | 10~50(6~32) |
基準外(低値) | ~8 | ~4 | ~10(~6) |
※γ-GTP()内数値は女性の場合
AST(GOT)
アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼという酵素の一種で、アミノ酸の代謝にかかわります。この値が高くなる要因としては、ウイルス性肝炎、アルコール障害、心筋梗塞、筋炎などの肝臓病、心臓病、筋肉疾患があります。
ALT(GPT)
アラニンアミノトランスフェラーゼという酵素の一種で、アミノ酸の代謝を司っています。この値が高くなる要因としては、薬物性肝炎、アルコール肝炎、肝臓がん、ウイルス性肝炎、肝硬変、胆石症などの肝臓の細胞が破壊される病気があります。心臓病、筋肉疾患ではこの値は上昇しません。
γ-GTP
γ-グルタミルトランスペプチターゼという酵素の一種です。肝臓に異常がある場合には様々な酵素が異常値となりますが、中でもこの値に注目されます。この値が高くなる要因としては、飲酒、薬物服用、脂肪肝、肝炎、肝硬変、閉塞性黄疸などがあります。飲酒量を減らし、運動をしたり、ゴマに含まれるセサミンを摂取することで、肝臓の働きが正常になり、値も正常値を保つことができるといわれています。
肝機能に障害が起きた時に現れる症状
では、実際にプロペシアで肝機能に障害が起こった際にはどのような症状がみられるのでしょうか?
基本的には服用開始から1~4週間のうちに症状が現れることが多いです。発熱、発疹、発赤、かゆみ、黄疸が主な症状です。吐き気や食欲不振、無気力気味になり身体がだる重く感じることもあります。
しかし実際には自覚症状がないまま肝機能障害が進行していく場合もあります。肝機能障害が起こったまま放置しておくと、肝臓がんになる可能性も高くなるため、定期的な検査を行うことが大切です。
肝臓の数値が良くない人は、必ず医師の指示に従うこと
プロペシアは個人輸入で簡単に入手することができますが、肝臓の数値が良くない人は自己判断で服用を続けることで、取り返しのつかない事態にもなりかねないです。必ずAGAクリニックなど病院で医師の指示に従うようにしましょう。
また、現時点で肝臓の数値に問題がなくとも、薬の服用を続けていくことで肝機能障害を起こす可能性もあるので、定期的な健康診断や、服用量の確認を怠らないようにしながら、うまくプロペシアと付き合っていくようにしましょう!