冷え性は女性に多いイメージがありますが、最近では男性にも一定数、冷え性で悩む人がいます。また手足の末端冷え性だけでなく、薄着が原因の腹部の冷えも問題視されています。平熱が低いというのは実は色んな不都合があるのです。
体温が低い、なぜ悪い
「体温が低いと健康に良くない」というのは、何となく知っている人も多いと思います。ではなぜ低体温は身体に良くないのでしょうか。
体温と代謝の関係
代謝とは。私たちの身体は生命を維持するために傷ついた細胞を修復したり、古く寿命を迎えた細胞を破棄したりする働きを持っています。また、これらを行うために食事から摂取した栄養を分解・吸収し、老廃物を排出したりすることを代謝(新陳代謝)と呼びます。
この代謝の働きには代謝酵素の働きが大きく関わっており、この酵素は38~40度の環境で活発に活動できると言われているのです。
つまりそれ以下の体温では働きが鈍く、活発ではなくなるということです。
また、代謝と免疫力は深い関わりがあり、体温が1度下がると免疫力が30%下がると言われるほど健康面にも影響を及ぼします。
代謝と髪の関係
髪の毛は、頭皮の毛根にある「毛母細胞」で作られますが、毛髪を作ったり、この毛母細胞を修復するのにも代謝酵素が大きく関わっています。体温が低いということは代謝酵素の働きが弱くなり、髪の生成や髪を作る細胞の修復が十分に行えない、ということになります。
代謝の低下によりヘアサイクルが乱れることで、髪の成長期が短くなり休止期が長くなってしまう原因にもなります。
平熱は何度がベスト?
低体温は身体にも髪の毛にも良くないということが分かりましたが、一体どのくらいの体温がベストなのでしょうか。
学生の時、プールの授業で「37度あったら発熱ということで見学だった…」という記憶はありませんか?しかし実際のところ、37度は発熱の場合と発熱ではない場合があります。
というのも、人によって平熱には差があり多くの日本人の平熱は36度前後と低めですが、37度以上が平熱である人も多くいます。アメリカ人に関して言えば、日本人よりも平熱が高く37度は微熱とは考えられていません。平熱は男女での筋肉量の違いや人種による赤血球の数値によって異なるのです。
日本人は低体温の人が増えてきていると言われており、36度に満たない35度台の人も多いのが現状です。35度台だと酵素の働きが50%まで低下するので、低体温の人は薄毛になりやすいといえます。
人は体温の維持にエネルギーを消費するので、体温が低いとそれだけ他の代謝活動が疎かになると言われています。薄毛だけでなく風邪を引きやすいなどの免疫力の低下、健康維持にも大きく関わっているのが体温なのです。
日本人にとってベストな平熱は36.5度~37度。
病気になりにくい平熱の目安として知っておくと良いでしょう。しかし体温の測り方や測る時間帯によって平熱は上下するので、平熱をはかる時にはコツが必要です。
平熱をはかる時
体調の良い日、朝&午前中&午後&夜それぞれで。
平熱をはかる場所
わきの下
平熱のはかり方
1日4回の体温測定を数日~1週間行います。汗を拭いた後のわきの下に体温計を斜め下から挟み、水銀タイプは10分以上、ブザータイプは音が鳴るまで静かに待ちます。帰宅直後、入浴後、スポーツの後は平熱が図れないので、安静にして30分程度経ってから計測を行いましょう。1日4回それぞれの時間帯にはかった体温の記録をつけ、それぞれの平熱を記録しておきます。
平熱をあげるには
平熱が低いとハゲやすくなる!病気になりやすくなる!ということは、平熱を上げれば、薄毛に良い!病気になりにくくなる!ということになります。
平熱を上げる方法
筋肉量の増加
(特にお尻や腹筋などの大きな筋肉を先に鍛えると効果が高い)
筋肉は身体の熱を作り出す重要な器官です。社会人になると運動する機会が減り、筋肉量が少なくなりがち。筋肉を鍛えるということは基礎代謝(動いていなくてもエネルギーを消費する力)を上げることに繋がり、平熱を上げるだけでなく肥満防止にもなります。
体を冷やす食べ物、飲み物を避け、逆に温めるものを食べる
平熱を上げるには、冷たい飲み物や食べ物は避けるべきです。身体を温める飲み物には白湯、生姜湯などがあります。また食事は生姜を使った料理、根野菜、発酵食品がおすすめです。
基本的には冬や寒い地方の食べ物は体を温め、夏や暖かい地方の食べ物は体を冷やすと言われています。
コーヒーは体を冷やしますが、生姜を入れて飲むと温まります。一工夫すると好きなものを我慢する必要もなくなります。
シャワーでなく、入浴をするなど体を温める習慣を持つ
忙しい人はシャワーだけで済ませてしまう人が多いですが、シャワーだけでは身体の芯まで温まりません。身体を温めるには頭寒足熱と言って、下半身をじっくり温めることが大切。ぬるめの温度のお湯で半身浴をすると、血流が良くなって身体の芯が温まるだけでなくリラックス効果もあります。
身体を冷やさない
身体を冷やさないようにするためには、3つの首(首・足首・手首)を温めることが効果的です。特に身体が冷えやすい冬はマフラーを巻く、足首まである靴下を着用する、手袋をするなど身体を冷やさないように心がけましょう。
薄毛と冷えの関係性 まとめ
低体温は血行の悪化だけでなく代謝酵素の働きを悪くすることで、毛母細胞の活性化を阻害して薄毛の原因になります。また代謝が悪くなるということは免疫力も低下するため、風邪のウィルスに感染しやすくなったり、病気になりやすくなってしまう原因にも。
体温を36.5度から37度程度に保つということは、薄毛改善だけでなく健康維持にも良い効果があるということです。
まずは自分の平熱を知り、低体温であれば平熱を上げる努力が必要です。今よりも平熱を上げることで、今まで感じていた体調不良も改善されるかもしれません。