育毛剤で不安なのが初期脱毛。初期脱毛が起こる可能性を知らないと突然の抜け毛に驚いてしまいますが、この脱毛は育毛剤が効いている証でもあるんです。その理由とメカニズムを詳しく書きました。
育毛剤で初期脱毛が起こるメカニズムとヘアサイクル
育毛剤を使い始め、髪が増えてくる希望を持っていた矢先、以前よりも脱毛が進んでしまうと「 薬が合っていないのではないか?」と不安になってしまいます。
しかしこの心配、あまり必要ありません。育毛剤を使う場合には通る道です。
初期脱毛とはどのような仕組みで起こる症状なのか?見てみましょう。
おさらい「ヘアサイクル」
人の一生と同じように髪の毛にも寿命があり、ヘアサイクルとよばれる一生があります。一般的には、男性3~5年、女性4~6年であることが多いです。
ヘアサイクルには3つの以下のような期間があります。
(1)成長期……毛母細胞分裂が活発に行われることで成長を続ける時期です。髪の毛全体の約90%が成長期なので、1ヵ月の間で髪の毛が伸びている実感をしっかりとあります(約3~6年)。
(2)退行期……活発だった毛母細胞分裂は衰えてゆき、髪の毛が伸びて成長している実感も少なくなっていきます。髪の毛全体では約5~10%が退行期9です。また、メラニン色素も弱まるため、髪の毛の黒さが失われ、白くなることもあります。(約2~3週間)
(3)休止期……衰えつつあった、毛母細胞分裂は完全に止まり、髪の毛が伸びる実感は完全になくなります。そして、新しく毛根の下から生えてくる髪の毛に押し上げられて、自然と抜け落ちてしまいます。髪の毛全体の5~10%は休止期にあたります。(約3カ月)
しかし(3)の休止期になっても新しく髪の毛が生えてこない場合、髪の毛は抜けることなくそのまま頭皮にとどまっています。
初期脱毛は、この(3)のサイクルが活発になることで起こります。発毛剤などの効果で新しい髪の毛が下から育ってきた証拠だと言えます。
本来であればすでに抜けているべき髪の毛が今抜けただけ。全く不安になる必要はなさそうです。
この初期脱毛、もちろんずっと続くわけではありません。休止期の髪の毛が抜けてしまえばそれで初期脱毛は終わります。
頭皮の状態や肌質によって個人差がありますが一般的には、服用を開始してから1~2週間で抜け始め、1~3カ月程度で初期脱毛はなくなってくることが多いです。
プロペシアやミノキシジルなどの医薬品を使用した場合、一体どれくらいの髪の毛が抜け落ちてしまうのかも気になりますよね。
普通に生活をしている状態での抜け毛は約50~100本が適正本数と言われていますが、初期脱毛の時期には300~500本抜け落ちると言われています。
普段の5~6倍の本数となると、シャワーをしたときや、枕についている髪の毛が多くなった実感は明らかに出てくるはずなので、少なからずショックを受けてしまうとは思いますが、休止期の髪の毛が抜けているだけということを思い出して、乗り切りましょう!
初期脱毛で抜ける本数が多いということは、毛根の下から新しく育ってきている髪の毛の本数も多いということなので、悲観的になり止めてしまわず、希望をもって続けていくことが大切です。
市販されている育毛剤でも初期脱毛が起こるのか?
プロペシアやミノキシジル以外の、ドラッグストアなどで入手できる育毛剤製品でも初期脱毛が起こることはあります。
ただし初期脱毛は新しい髪の毛が育ってくるからこそ起こる現象です。そもそも有効成分があまり入っていなかったり、頭皮環境を整える程度のものであれば初期脱毛は起こりにくく発毛効果も感じにくいです。
初期脱毛自体は育毛製品の効果あるなしの指標にはなりませんが、新たに始めた育毛対策で脱毛が起こったときは初期脱毛も視野に入れて様子を見ることが必要です。
抜け毛が止まらない場合は、頭皮に合っていない場合も
脱毛の原因が初期脱毛でない場合もあります。
基本的に6カ月~1年で効果が表れてくることが多いのですが、その時期になっても抜け毛が止まらない場合、また頭皮に痒みや赤みなどの異常がある場合は医師の診断を仰ぐ必要があります。
AGA治療の外用薬が合わずやむなく治療を中止したという人もいます。この場合の判断は自己判断ではなく、信頼できる医師と今後の治療も含め相談して決めることが大切です。