薄毛の原因が病気である場合

AGA（男性型脱毛症）以外の病気が薄毛の原因になることがあります。いずれも病院での治療が必要であるケースが多く、病気が治ることで薄毛も改善することが多いです。

また病気ではないけれど肥満、貧血など健康状態の良し悪しは毛髪に影響します。体を健康に保つことは薄毛対策にも有効なんです。このページでは薄毛の原因と言われている病気について説明します。

薄毛、抜け毛の原因といわれている病気

男性が抜け毛に悩まされる原因として、AGA（男性型脱毛症）や老人性脱毛症などが良く知られています。しかし抜け毛や薄毛になる原因はこれらだけではなく、病気が原因で髪の毛が抜けてしまう事もあります。

甲状腺機能低下症

甲状腺は「のどぼとけ」の下に位置する臓器であり、ここから分泌される甲状腺ホルモンは自律神経のバランスを保つ役割があります。甲状腺機能低下症はこのホルモンの分泌が少なくなることで、自律神経が崩れて血流が悪くなったり、免疫力が下がったりするために抜け毛を招きます。

膠原病

膠原病は体の免疫力が落ちることで筋肉や皮膚、関節などの全身に炎症を起こす病気です。この病気によって口内炎や手足のしびれ、爪の変形、関節の痛みなど起こることがありますが、抜け毛もこの病気で表れる症状の1つです。

白癬菌

白癬菌というのはカビの一種で、いわゆる頭皮の水虫です。このカビ菌に感染した皮膚疾患を白癬症と呼び、髪の毛が抜けてしまう原因になります。抜け毛の他にも多量のフケと強い痒みが症状として挙げられます。

アトピー性皮膚

アトピー性皮膚炎の人は身体全体の肌がかなり敏感で強い痒みがあり、乾燥しやすい状態にあります。頭皮も乾燥することで痒みが起き、掻いてしまったり頭皮から余計な皮脂が分泌され毛穴が詰まったりすることで抜け毛の原因になってしまいます。

肝臓の病気

髪の毛を作るのに欠かせないタンパク質は、実は肝臓で合成されています。飲酒や乱れた生活習慣、または病気によって弱った肝臓はタンパク質をうまく合成することができません。結果、タンパク質でできている毛髪にも影響が出てきます。

糖尿病

AGA（男性型脱毛症）を発症している人は、糖尿病の予測因子であるとも言われるくらい関わりの深い病気です。高血糖でドロドロになった血液は血行が悪く、毛母細胞に充分な栄養を運ぶことができません。

梅毒性脱毛症

性行為での感染が主で、脳や脊髄にまで悪影響を与える恐ろしい病気です。先進国ではあまり発症しないとされていますが、放っておくと大変なことに。梅毒に感染すると3カ月くらいで脱毛の症状が現れます。

病気ではないけれど要注意

病気の場合は抜け毛の他にも何らかの健康異常を感じているはずなので、すぐに医師の診察を受けましょう。しかし病気とは言わないまでも、薄毛や抜け毛を引き起こす原因があります。

肥満

肥満というのは、体重kg ÷ (身長m×2)で求めた数字が25以上の人の事を指します。更にメタボリックシンドロームはこれに加えて、高血糖・高血圧・高脂質のいずれか2つを持ち合わせている人のことをいいます。

体脂肪が多すぎる肥満の人は末梢血管を圧迫して血流が悪くなり、毛母細胞に酸素や栄養を届けることが困難になります。またホルモンのバランスを崩すことでAGAの原因であるジヒドロテストステロンを作り出し抜け毛の原因になります。

貧血

ヘモグロビンが不足することで起こる貧血は、体内の酸素の量を低下させて血流を悪くします。これによって毛母細胞に酸素や栄養を届けることが困難になり、髪は痩せて抜けやすい状態になります。

低体温

現代人は体温の低い人が多いと言われていますが、体温が低いということは免疫力が低く血行が悪いということになります。体温が低いと肥満になりやすく、血行が悪いので毛母細胞に栄養が行き届かずに抜け毛の原因になります。

ストレス

人はストレスを感じると自律神経のバランスが崩れて、血行不良や不眠、胃痛などを引き起こします。血行不良は毛母細胞に栄養が届くのを阻害し、不眠は細胞分裂に必要な成長ホルモンの分泌を阻害します。

治療中、薬の影響で薄毛になることも

病気の治療薬にはそれぞれ副作用があり、その中には抜け毛が副作用として現れることがあります。抗がん剤は抜け毛の副作用が出ることは有名ですが、実は抜け毛が起きてしまう薬は抗がん剤だけではないんです。

経口血糖血降下剤、抗うつ剤、抗ウイルス薬、血圧降下剤、アレルギー疾患治療薬、角化症治療薬、抗真菌剤、抗結核剤、抗てんかん剤、抗不整脈薬など、他にも抜け毛の副作用が起こりえる薬はたくさんあります。

しかしこれらは薬の服用によって起こる副作用なので、いずれも治療または投薬が終わると徐々に薄毛も改善していきます。