「育毛剤を使用して数ヶ月、念願の毛が生えてきた!」これは大変嬉しいことですが、この毛を維持するために、育毛剤を一生使い続けなければいけないのか?と新しい心配が生まれます。
せっかく生えたのに元の薄毛に戻ってしまうのは恐怖。毎月の出費も負担だからいずれは止めたい。でも止めて大丈夫?元に戻ってしまう?
このページでそんな不安について解説します。
フィナステリド、デュタステリドの場合
基本的に、錠剤の育毛剤は服用を止めてしまうと、再び脱毛が起こる可能性が高いです。
薄毛にも様々な原因がありますが、AGAによる薄毛であり、プロペシア(フィナステリド)やザガーロ(デュタステリド)などを服用して、毛量が増加するなどの改善効果が見られた場合、それを中止することは危険です。
かなりの高確率で脱毛症状が再び進行してしまいます。
逆に言えば、それだけ薬によって「抜け毛が抑えられている」という証拠です。
AGAの大きな要因である1つに、男性ホルモンの「テストステロン」が「5αリダクターゼ(α還元酵素)」と結びつき、「ジヒドロテストステロン(DHT)」に変換されてしまうことが挙げられます。
「ジヒドロテストステロン」が存在している状態はまだギリギリセーフであり、それだけでは脱毛に繋がりませんが、男性ホルモン受容体に「ジヒドロテストステロン」が取り込まれると薄毛を引き起こします。
さらに詳しく…
取り込まれた「ジヒドロテストステロン」は「TGF-β」という物質に変換されます。これは細胞分裂を抑制するものであり、髪の毛の細胞分裂を抑えることで、育毛を阻害します。
この男性ホルモン受容体がどれだけの感度で「ジヒドロテストステロン」を受け入れるのかは遺伝による差が大きく、今のところそれを操作するための治療薬は開発されていません。
現在ある有効な手段は、「フィナステリド」や「デュタステリド」といったAGA治療薬の主要成分。これらは、この5αリダクターゼの働きを阻害して、ジヒドロテストステロンが生成されないようにすることでAGA治療を行います。
しかし1度阻害をしたからといって、残念ながらその影響は永続的なものではありません。
治療薬を服用することを止めれば、5αリダクターゼの働きを阻害することができなくなり、AGAの要因となるジヒドロテストステロンを生成しやすくなります。
結果、脱毛が再び始まります。
ミノキシジル(外用薬)の場合
頭皮に直接塗るタイプのミノキシジルは、使用を中止したとしても薄毛の進行が再開してしまう可能性は低いです。
ミノキシジルは高血圧の薬という前身があるように、血管拡張作用が主な作用であり、前項にあるような男性ホルモンの変換には関係がありません。
血管を拡げて血液の流れをスムーズにすることで、髪の発育に欠かすことのできない栄養素を毛根に届けます。
「フィナステリド」や「ザガーロ」には、抜け毛を抑制する効果はあっても発毛の効果はない為、「ミノキシジル」を併用することで、抜け毛抑制だけでなく「発毛=元に戻れる」という期待が持てます。
このことからも、ミノキシジルの使用を中止したとしても、脱毛症状が大きく左右されることはあまりないと言えます。
話は逸れますが…、ミノキシジルをやむなく中止した場合
ミノキシジルの外用薬は直接頭皮に塗るという性質上、痒みやかぶれなどの副作用を訴えるケースも少なくはなく、仕方なく使用を中止することもあります。
使用を中止した際にはミノキシジルの役割を踏まえた上で、自力でカバーできる行動もいくつかあります。
例えば、末梢血管の流れを良くするために運動や入浴などで身体を温めること。玉ねぎなど血液をサラサラにして流れを良くする食品を取り入れること等。これらである程度、血流を改善させることができます。
しかし血液の流れは一時的に良くなっても、生活習慣によってすぐに悪化してしまうため、継続的に良い状態を保つことができる無理のない習慣作りが大切です。
ミノキシジル以外の「塗布型」育毛剤の場合
ドラッグストア、通販等で簡単に入手することができる塗布型(ローションやスプレータイプ)の育毛剤は、使用を中止したとしても急激な脱毛が起こることはありません。
市販の育毛剤は「発毛」が目的ではなく、頭皮環境を整えることが目的です。
AGA治療にとって頭皮環境を整えることは、毛が生まれ、健やかに育つ為の下地を作る大切な事ですが、それだけでは薄毛を改善させるのは難しいため、補助的な役割が強いです。
市販育毛剤の頭皮への影響は非常に緩やかであるため、例え使用を中止したとしても影響は大きくないので、頭皮に合わないと感じた時でも、躊躇いなく止めて大丈夫です。
AGA治療薬を飲み続けるか、否か・・・。
治療薬を飲み続けることで定期的に費用が発生します。また、薬を分解する腎臓・肝臓など内臓の負担を始めとして、身体への影響も気になるところです。
できることなら頭皮だけではなく、体調も含めて相談ができる専門医やクリニックを見付けて、いつでも相談できる状態でいることが大切です。
個人輸入でAGA治療薬を入手することもできますが、本物であるかどうかが疑わしかったり、薬を止める時期が自己判断では不明だったりと、結果的に薄毛改善が遠回りになってしまう可能性もあります。
ここに個人輸入のリスクがあるんです。
育毛剤を止めると、生えた毛は全て抜ける? まとめ
もし、治療で好ましい結果を得られるのなら、その効果とその分の負担、そして依存が必ずついて回ります。
治療薬に頼リ過ぎないためにも、他の「薄毛の原因」を徹底的に減らし(悪しき習慣※タバコ等、生活習慣、食生活、頭皮環境等)、常に育毛を心がける。こういった多方面からのアプローチが絶対に必要であることを忘れずにいたいです。