発毛効果があり、AGA治療の救世主となっているミノキシジル。プロペシアに次いで薄毛治療に使われるようになりました。
プロペシアに比べて効果も高いですが、副作用の確率も若干増えているため、使用方法や取り扱いにも注意が必要です。
このページではミノキシジルの具体的な効果から適切な扱い方まで、詳しく説明しています。
プロペシアに次ぐ、第二の育毛剤「ミノキシジル」
もともとはアメリカの製薬会社、アップジョン社によって開発された血圧を下げるための治療薬でした。血管を広げることで、血流がよくなり、圧力をかけなくてもスムーズに流れるようになります。そのため高血圧の患者向けにつくられたものでした。
なぜ、ミノキシジルで発毛するのか?その効果と仕組み
ミノキシジルは毛根部分の血管を拡張させる働きがあります。髪の成長に必要な栄養を運ぶための道路が大きくなるので、よりたくさんの栄養を行き渡らせることができ、髪が成長しやすくなります。
また、ミノキシジルには髪の毛の細胞が死滅することを抑制し、髪の成長期間を長くしたり細胞を増殖させる効果も報告されています。
以下はミノキシジル5%含有育毛剤であるリアップX5の発毛効果データです。
5%というのはAGA治療においてはバランスがとれた値です。少なすぎると女性用の薄毛治療となり効果が出にくい一方で多すぎると血圧に関する副作用が出やすくなってしまいます。
約1年(52週)に渡って使用し、1カ月(4週)ごとの結果を医師が評価したものです。
最終的には94%という高い水準での改善効果がみられています。半年の時点で同水準に達しているため、まずは半年は使用を続けてみることが大切そうです。
こちらは先ほどのデータとは逆に、被験者が自分自身の発毛実感を示したものです。
最終的には9割の人が効果を実感しています。ただし、3カ月の時点では4割程度、6カ月の時点で8割程度ととなっており、効果を実感するには継続的に6カ月の使用は必要となりそうです。
このグラフは被験者の1㎠あたりの髪の毛の本数の変化を示したものです。
終了時に1㎠あたり21.6本の髪の毛が増えているということは、見た目にも相当な変化がもたらされているはずです。
先ほどのデータは新しく生えてきた髪に関してでしたが、こちらはもともとあった髪の太さの変化についてです。
1㎠当たりにおける40μm以上の太さの髪の毛が1カ月の時点では1本あるかないかだったものが終了時には約26本となっています。新しい髪の毛を生やすだけではなく、もともとある髪の毛も丈夫にする効果があるようです。髪が太くなることで見た目のインパクトにも大きな違いが出てきます。
外用薬ミノキシジルと内服薬プロペシアの併用で相乗効果が
プロペシアとどちらが良いのだろうとお悩みの方に朗報です。実はミノキシジルとプロペシアは併用することができます。
育毛剤は玉石混合な市場ですが、その中での指針を示してくれているものがあります。
公益社団法人日本皮膚科学会によるAGAガイドラインです。成分別にランク分けされておりAランクは「行うことを強く勧められる」となっています。
Aランクは2種類だけが存在します。
- フィナステリド……プロペシアに含まれる有効成分
- ミノキシジル……リアップ等に含まれる有効成分
両者は成分や育毛メカニズムが違うため、プロペシアと併用することでより効果的だという医師やメーカーの意見があり、実際にAGAクリニックでは併用して処方することで成果をあげているところも多いです。
ちなみに、Dランクの「勧められない」には人工植毛術が挙げられています。
しかし、気を付けなければならないのは副作用・・・
ミノキシジルは血管拡張作用があるため血圧に影響を及ぼす可能性があるので、高血圧、低血圧の人は使用を控えなければなりません。
また、髪の毛以外の部分の体毛が濃くなる場合もあります。
高濃度のものは女性が使用する際の安全性が確認されていないので、ミノキシジル1~2%含有商品を使うのが安全です。
ミノキシジルが効きにくい人
シャンプー前の汚れた頭皮にミノキシジルを塗ってもあまり効果は出ません。シャンプーをし、頭皮環境を綺麗に整えてから塗ることで効果が期待できます。
暴飲暴食、飲酒喫煙など生活習慣が悪くても栄養が髪の毛に届かず、効果を感じることができません。
また、使用期間が短かったり、用法容量を守っていない、男性が女性用の濃度1%などのものを使っている場合も効果が出にくい場合があります。濃度5%のものを使うようにしましょう。
ミノキシジルを処方できない人
以下の人は処方ができないので、当てはまる症状がある場合、むやみに自己判断で個人輸入を行わないように気を付けてください。
- 過去に薬や化粧品などによりアレルギー症状(例えば、発疹、発赤、かゆみ、かぶれ等)を起こしたことがある人……高血圧、低血圧の人もともと血圧の薬であるため、血圧に影響を及ぼす可能性があるため。
- 心臓や腎臓に障害のある人……心臓や腎臓に影響を及ぼす可能性があるため。
- むくみのある人……むくみがひどくなる可能性があります。
- 家族、兄弟姉妹に壮年性脱毛症の人がいない人……壮年性脱毛症の発症には遺伝的要因が大きいと考えらているため。
- 高齢者(65歳以上)……高齢者では好ましくない症状が発現しやすくなる可能性が高いため。
- 甲状腺機能障害(甲状腺機能低下症、甲状腺機能亢進症)の診断を受けている人……甲状腺疾患による脱毛の可能性があるため。
市販で入手できるミノキシジル育毛剤はリアップのみ
現在ドラッグストアなど市販で入手できる、ミノキシジル成分が含まれた育毛剤は大正製薬から出ているリアップのみとなっており、それ以外では医師の処方が必要になります。
海外では米ジョンソンエンドジョンソンの子会社であるマクニール社がロゲインという商品を出しています。
ミノキシジルを個人輸入する方法もあるが・・・
個人輸入であればミノキシジルを安く入手することができます。しかし、本物である保証は100%ではない上に、服用後に問題が起こったときに対応してもらえる可能性も低いので、完全な自己責任となります。
製品名 | 成分量 | 価格 | 製造元 | 特徴 |
---|---|---|---|---|
ロゲイン5% | ミノキシジル5%含有 | 5,275円(2本+スポイト1本) | マクニール社 | アメリカFDA(食品医薬品局)に初めてAGAに対して効果があると認可取得済 |
カークランド5% | ミノキシジル5%含有 | 3,168円(2本+スポイト1本) | カークランド社 | ロゲインのジェネリック品 |
カークランド5%フォームタイプ | ミノキシジル5%含有 | 4,160円(2本) | カークランド社 | 泡状で塗りやすい |
ミノキシジルタブレットという内服薬もある
内服型のミノキシジル、ミノキシジルタブレット(通称:ミノタブ)も存在しますが、国内での認可はおりていないため、個人輸入でしか入手することができません。
しかし、血圧に対する作用が塗り薬よりも強いため、リスクも多く、服用には注意が必要です。
不安があればAGAクリニックへ
プロペシアに比べ、ミノキシジルは発毛効果が高いですが、副作用のリスクも高いです。
使用中に違和感があった場合にはすぐに使用を中止し、医師に相談することが必要です。使用に不安がある方は、自己判断ではなくAGAの専門クリニックなどで診てもらうようにしましょう。
ミノキシジルのまとめ
プロペシアのような飲み薬には、どうしても抵抗のある方も多いかと思います。ミノキシジルであれば経口投与の必要がなく、精神的なハードルが低くAGA治療を開始できるのではないでしょうか。
その実力は日本皮膚科学会のAランクをプロペシアと共に独占するほどで、薄毛で悩まれている方にはかなり強力な選択肢となりそうです。