育毛シャンプーと呼ばれる商品は数あれど、女性用と男性用ではメーカーも種類もバラバラ。男女兼用で使えれば家族や同居人と一緒に使えて便利なのに・・・という人のために、男女で安心して使える育毛シャンプーの情報をまとめました。
男女兼用の育毛シャンプーでも、抜け毛予防や薄毛対策できるのか?
男性用・女性用の育毛シャンプーは、頭皮トラブルや頭皮状況により「脂性肌」「普通肌」「乾燥肌」用の3つに分けられていたり、「脂性肌」「乾燥肌・普通肌」の2つに分類されていたりします。
男性用・女性用と区別されている育毛シャンプーは、特に「頭皮トラブルが偏って出ている症状」に対して使用すると効果を発揮し、頭皮や毛髪トラブルを整えて頭皮環境を改善していきます。
男性用・女性用に対して男女兼用の育毛シャンプーは、それぞれの洗浄成分や保湿成分などの有効成分が平均的に配合されているところから、洗浄効果や保湿効果両方を兼ね備えている育毛シャンプーと言えます。
男女兼用の育毛シャンプーの有効性は、ブラッシング時に抜け毛が多くなった?と感じた時やハリやコシがなくなってきたような感じがする時、カユミが出てきたなど初期の頭皮トラブル時などに有効です。
頭皮環境を維持する「抜け毛予防や薄毛対策」としても適しています。
男女兼用育毛シャンプーの使用ポイント
男女の頭皮状況が「脂性肌」「普通肌」「乾燥肌」と極端に頭皮肌や毛髪などの傷みがなければ、共有して使用することができます。
しかし、男女の抜け毛や脱毛原因は頭皮環境がトラブルの原因だけではない場合もあります。
例えば「AGA(男性型脱毛症)」「FAGA(女性男性型脱毛症)」や「常在菌(マラセチア菌)の過度な増殖」による抜け毛や脱毛、「自律神経の免疫不足による円形脱毛症」などがあります。
もしも、育毛シャンプーを1~2週間使用しても効果がないと感じた時は、皮膚科や専門クリニックなどで症状をみてもらうことをオススメします。
*医師の治療や療養を必要とする頭皮トラブルの可能性もあります。
育毛シャンプーを男女兼用で使う時の注意点。有効成分と効果の違い
男性用と女性用の育毛シャンプーは、極端に敏感な頭皮肌や傷んだ毛髪の状態に合わせた豊富な種類の育毛シャンプーがあり、それぞれにメリットとデメリットがあります。
同じように、男女兼用育毛シャンプーにもメリット・デメリットがあります。
男女兼用育毛シャンプーのメリット・デメリット
【メリット】
- 男女の頭皮状況が特別な「かゆみ」「皮脂」「保湿」などで偏った症状がなければ頭皮環境を整えて改善し維持することができます。
- 男性用・女性用の有効成分を偏らずに平均的な配合をしていますので、洗髪や洗い上がりが良く、男女共に「抜け毛予防や薄毛対策」に適しているため、合理的に使えます。
【デメリット】
- 男女の頭皮状況(脂性・乾燥肌)などで頭皮トラブル(カユミ・毛髪の傷み)が大きい場合、男女兼用の育毛シャンプーでは対応しきれない場合がある。
- 女性などに多いカラーなどを繰り返すことで毛髪などの傷みがあり修復作用や保湿効果が少なすぎる場合。
- 男性に多くみられる皮脂の分泌が多くフケやカユミが多い場合、男女兼用育毛シャンプーでは効果がない場合がある。
- 皮脂量が多く洗浄力が必要な場合。
*男性用・女性用の育毛シャンプーにもあるように、男女兼用の育毛シャンプーにも成分などにより頭皮に合わない場合もあります。
育毛シャンプー使用時に洗髪をする前の注意点
女性なら当たり前かもしれませんが、シャンプーをする時はシャワーで洗髪をする前に「風呂に入り頭皮を蒸らす」ことが適切な洗髪順になり、頭皮や髪にも大変重要なことになります。
頭頂部にのせるタオルには42度くらいのお湯につけ軽く絞ってから頭において15分ほど蒸らしてから洗髪することが大切。なぜなら、頭皮にこびりついた整髪剤や皮脂などの汚れをタオルで蒸らすことで毛穴やまわりの取れにくい汚れを浮かす効果があるからです。
「蒸らし」から始める洗髪の方が、より効果的で栄養成分が行き渡りやすくなり、頭皮や毛髪にも良い影響を与えます。
特に男性は時間をかけずに洗髪をしますから、いきなりシャワーで頭皮や髪を強く洗ってしまいますので、毛穴まですっきり洗い流せていないことが多いようです。頭皮を十分に蒸らしてから洗髪する方がより良く育毛成分の効果も上がります。
また、洗髪をする時は、シャンプーを手の平やスポンジなどで泡立たせるようにして、直接シャンプー剤が頭皮に触れないようにします。頭皮には指の平でゆっくりと軽く揉みこむようにマッサージすることで、毛穴に詰まった皮脂などが分離しやすくなります。
*力を入れ過ぎて揉みこむとデキモノの原因や赤みになり消えにくくなります。
湿疹や赤み・デキモノがある場合、育毛シャンプーの使用で悪化させることがあります。頭皮にはあまり触れずに40度位のぬるま湯で軽く洗い流す程度で洗髪を済ませる方が良いでしょう。
女性用として売られている育毛シャンプーの特徴
女性用の育毛シャンプーは頭皮の皮脂を取り除く効果もありますが「毛髪の修復・保湿・保護」を中心にした天然成分が豊富に配合されています。
洗浄力は男性用よりも少ないですが、余分な皮脂を取らないのでしっとりと仕上がります。天然植物などの原料から抽出した有効成分(オーガニックエキス)が豊富に含まれており、頭皮環境だけではなく毛髪のハリやコシなどの効果が特に期待できます。
女性用育毛シャンプーの有効成分
界面活性剤
●コカミドプロピルベタイン
- 医薬部外品成分の表示名では「ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン液」
- 原材料はヤシの実。
- 両性界面活性剤として使用している。
- 水に溶けると陰イオン・陽イオンどちらでもなることができる性質を持つ。
- 刺激性も少なく洗浄効果も強くないものとして安全性がある。
- ベビーシャンプーなどに用いられている。
- 補助剤で加えられることが多い。
- 洗い上がりは「しっとり」とする。
●ラウロイルメチルアラニンNa
- ヤシ油脂肪酸メチルアラニンナトリウム液のアミノ酸の中でも、刺激性が低いとされている。
- 安全性が高い界面活性剤。
- ヤシ油脂肪酸をコミカドと呼んでおり刺激性も少なく泡立ちが良い。
- 無添加シャンプーやベビーシャンプーにも配合されている。
●ココイルグルタミン酸TEA
髪のダメージ部分を補修します。
- 高価なシャンプーに配合されていることが多い。
- アミノ酸とグルタミンをかけ合わせたアミノ酸洗浄成分で泡立ちが良い。
●コカミドDEA(別名:ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド)
- 単体では洗浄力はほとんどない。
- 泡の安定性を図るため他の界面活性剤と組み合わせることが多い非イオン界面活性剤。
●βグリチルレチン酸:育毛シャンプーのほとんどに配合されています。
- 抗炎症成分
毛髪の補修や保護・ハリ・ツヤなどの保湿成分
●オーガニックエキス:多くの種類や美容成分も増えており新配合されている保護成分も増えてきています。
- 抗炎症・血行促進成分なども配合されています
- セイヨウトチノキ種子エキス、セイヨウオオバコ種子エキス、グレープフルーツ果実エキス、オドリコソウ花・葉・茎エキス、セイヨウアカマツ球果エキス、ローマカミツレ花エキス、シャクヤク根エキス、カミツレ花エキス、アルニカ花エキス、ローズマリー葉エキス、ソメイヨシノ葉エキス、ゴボウ根エキス、チャ葉エキス、カミツレ花エキス、ビワ葉エキス、ローヤルゼリーエキス、ショウガ根エキス
★新配合:ハリ・コシ・毛髪のボリュームなど保護機能をよくするための成分も増えてきています。
- 毛髪の吸着成分を増量・皮膚バリア機能
- セサミオイル:毛母細胞働きかける
- 血行促進:黒ショウガエキス
- フコイダン:新配合で注目されている保湿成分
- 高い保湿力:保水力 ダメージ補習効果
- 昆布わかめ沖縄モズクエキスに含まれるミネラル
★馬油や椿油・アルガンなどのオイル系を配合したものもあります。
- 男女兼用育毛シャンプーにもあります。
上記の成分は代表的に使用されているもので人気の育毛シャンプーの中に配合されているものです。
女性用も洗浄成分の種類を組み合わせて配合していますので泡立ちも良くなっています。特に多く配合されているのは、オーガニックエキスの配合や新配合されている毛髪保護成分は男性用よりも多いことがあげられます。
女性用を選択するには、毛髪の量・ダメージヘアやカラーヘアをよくする女性に適しています。
女性が男性用の育毛シャンプーを使用する場合のポイントと注意
女性が男性用のように洗浄力が欲しい時は、男性用の育毛シャンプーを使用することもできます。
しかし、使用する前に確認し注意する点があります。
男性用の育毛シャンプーの中には、AGA(男性型脱毛症)で使用する「ミノキシジル」を配合したシャンプーもありますが、女性はミノキシジルが配合されたシャンプーを絶対に使用してはいけません。
「ミノキシジル」は女性に悪影響(女性の体内に入ると胎児などに影響を及ぼす可能性)があるため、触れることも禁止されている成分です。必ず、配合している成分を確認するようしてください。
その他の男性用育毛シャンプーは使用することができますが、洗浄力があるので週に1、2回くらいの頻度で使用するのがオススメです。
男性用として売られている育毛シャンプーの特徴
- 整髪料などを塗ることが多いので洗浄効果が強く洗い上がりは爽快感がある。
- 女性用と比べると保湿成分はかなり少ない。
- メントールやミントなど頭皮をスッキリさせる成分と血行促進成分が多い。
- 雑菌を抑制する抗菌成分が多く含まれている。
男性用育毛シャンプーの有効成分
界面活性剤
●ココイルグルタミン酸Na
- 陰イオン系界面活性剤で刺激性が最も弱い。
- 洗浄力が良い。
- 泡立ちが良いので皮脂が多い人に向いている。
●ココイルトレオニンNa
- 低刺激性のアミノ酸系界面活性剤
- しっとり仕上がる
●コカミドプロピルベタイン
- 原材料はヤシの実
- 両性界面活性剤として使用している
●ラウロイルアスパラギン酸
- ヤシ油由来のアミノ酸系界面活性剤
- 泡立ちが良く洗浄力がある
- 必要な皮脂は洗い落とさない
保湿成分
●アロエベラ葉エキス、キハダ樹皮エキス
- 頭皮の乾燥を防ぐ
●水溶性コラーゲン・加水分解コラーゲン
- ハリ・コシを与える
血行促進
●ショウガ根エキス、トウガラシエキス
消臭・抗炎症成分
●酵母エキス
●グリチルリチン酸K2
●ピロクトンオラミン
男性用の育毛シャンプーは、主に、汗や皮脂の洗浄作用と抗菌作用を優先にした有効成分を配合していますので爽快感があります。オーガニックエキスも配合していますが女性用よりも少ないので保湿力からいえば劣ると言えます。
上記のように、男性用・女性用の育毛シャンプーの特徴は、保湿成分量や洗浄成分量の消臭・抗炎症成分量の配合の違いが大きいです。「男性が持つ頭皮の汚れの程度」と「女性が持つ頭皮の乾燥や毛髪の傷みのレベル」など、症状による頭皮状態で配合量も違うことが男性用・女性用で知ることができます。
男性が女性用の育毛シャンプーを使用する場合のポイント
男性でも頭皮が弱い人や乾燥肌の人はいます。男性用に比べて洗浄成分が少ない分シャンプーによる湿疹・赤みなどを起こしにくくなりますから、女性用の育毛シャンプーを使用すると保湿成分も豊富に含まれているので頭皮には大変良いです。
但し、女性用シャンプーでは、ミントやメントールなどの爽快感を求めることは難しいです。
男女兼用で使う育毛シャンプーのまとめ
男女兼用の育毛シャンプーの使用は「ハリ・ツヤ」を与える成分、「保湿」「頭皮環境」を整えることができる成分や、「かゆみ」などを抑制する成分が配合しているので、男女共に使用することができます。
男性用・女性用と同じく男女兼用の育毛シャンプーの成分にも刺激が少なく安全性のある洗浄成分を配合しています。
男性用と女性用に比べて男女兼用の育毛シャンプーは成分量に違いがありますが、基本的な効果には違いはありません。
それぞれの育毛シャンプーの効果
男性用 | 女性用 | 兼用 | |
---|---|---|---|
洗浄作用 | ◎ | ○ | ○ |
育毛作用 | ◎ | ◎ | ○ |
保湿作用 | ○ | ◎ | ○ |
修復作用 | ○ | ◎ | ○ |
抗炎症作用 | ◎ | ◎ | ○ |
血行促進作用 | ◎ | ○ | ○ |
毛髪保護作用 | ○ | ◎ | ○ |
しっとり感 | △ | ◎ | ○ |
爽快感 | ◎ | △ | ○ |
◎特に良い ○良い △あまり感じない
*但し、男女兼用育毛シャンプーの中でも、馬油・ホホバ油などオイル配合があるものは保湿効果に優れています。
頭皮の状態別シャンプーの効果
男性用 シャンプー |
女性用 シャンプー |
男女兼用 シャンプー |
||||
---|---|---|---|---|---|---|
頭皮状態 | 乾燥肌用 | 脂性肌用 | AGA | 乾燥肌用 | 脂性肌用 | 普通肌用 |
乾燥 | ◎ | × | ◎ | ◎ | ○ | ◎ |
ジメジメ | × | ◎ | ◎ | × | × | ○ |
普通 | ◎ | × | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ |
異性用のシャンプーを使った場合
男性用 シャンプー |
女性用 シャンプー |
||||
---|---|---|---|---|---|
乾燥肌用 | 脂性肌用 | AGA | 乾燥肌用 | 脂性肌用 | |
女性が男性用を使用 | ◎ | × | × | ― | ― |
男性が女性用を使用 | ― | ― | ― | ◎ | ○ |
*AGA :男性型脱毛症の治療薬配合の育毛シャンプー
上記の表でもわかるように、男女兼用の育毛シャンプーのほうが使用しやすい育毛シャンプーになっています。
男性用育毛シャンプーとの違い
・洗浄成分を組み合わせて洗浄効果を上げているが配合している量は少ない
余分な皮脂までは落とさないが洗浄力はある
・オーガニックエキスの配合が豊富
毛髪の修復保護・保湿効果の点を重視している
植物の花・茎・葉の成分からのエキスを多く抽出している
女性用育毛シャンプーとの違い
・洗浄成分の量が多く配合されており汚れや皮脂を良く落とす
・育毛・血行促進・メントール・ミントなどの成分が多く爽快感がある
皮質に刺激を与えることでかゆみや赤みの元になる場合もある
・消臭・抗炎症作用の成分が多く含まれている
・オーガニックエキスの配合は少ない
アロエ系の保湿成分が比較的多い
結果、男性用と女性用の育毛シャンプーを使用する時は「皮脂などによる頭皮トラブルが大きい」「乾燥肌がひどい」「脂性でいつもベタベタしている」といった、偏った状態や「保湿成分や美容成分・保護成分の量」が多く必要であれば、男性用・女性用に使い分けてください。
しかし、男女が共に頭皮状況などに問題がないのであれば「男女兼用の育毛シャンプー」だけで共有でき、十分に頭皮や毛髪対策ができる育毛シャンプーです。