薄毛の原因が分かった!!と大きなニュースになったのはまだ記憶に浅いかと思いますが、これによると、加齢により毛包のコラーゲンが減少し毛包が縮小、そしていずれ(毛根が)フケや垢と一緒に剥がれ落ちてしまう、という衝撃なものでした。このページではこの新しい発見について説明します。
コラーゲンが減少すると毛包が小さくなる?
加齢と薄毛は深い関わりがあることは昔から言われてきましたが、具体的にどの様にして薄毛を引き起こしてしまうのか?そのメカニズムははっきりしていませんでした。しかし、2016年東京医科歯科大学から、コラーゲンの減少と薄毛が関係しているということが解明されました。
年をとって毛が生えにくくなるのは、たんぱく質の一種のコラーゲンが減り、毛を生やす器官が縮小するため――。東京医科歯科大学の西村栄美教授らは、加齢にともなう毛の減少の仕組みをマウス実験で解明した。人間でも同じような現象が確認できた。コラーゲンの分解を防ぐ物質を探し出せば、毛が薄くなることを防ぐことも期待できる。
引用:http://www.nikkei.com/article/DGXLASDG04H68_U6A200C1CR8000/加齢による薄毛、コラーゲン減が要因 東京医科歯科大が解明 :日本経済新聞
毛包とは何か
毛包というのは大雑把に言ってしまえば毛根のことで、髪の毛の根っこ、つまり髪の頭皮の中にある部分を指します。他にも毛嚢(もうのう)という呼び方をすることもあります。
髪の根っこの部分を包む毛包の底には、次のような組織が備わっています。
毛母細胞
この細胞が分裂することで生まれた細胞から、髪の毛が生まれます。また、髪の毛の色素もここから作られています。
毛乳頭
血管と毛母細胞をつなぐ組織です。毛乳頭組織が毛細血管から栄養や酸素を受け取って髪が成長しています。しかし、脱毛シグナルを受けて抜け毛を発生さることもあります。
コラーゲンとは何か
コラーゲンとは私たちの骨や軟骨、腱、じん帯、皮膚などの身体を構成するたんぱく質の一種です。コラーゲンには色んな種類が存在し、様々なアミノ酸が繋がってできています。( この繋がりを助けるのがビタミンCです。)
老化現象の1つとして、顔のしわやハリのない肌が挙げられますよね。これは加齢によってコラーゲンが減少したことによるものです。
コラーゲン減少による薄毛の仕組み
中でも毛包はコラーゲンに守られており、17型コラーゲンは髪が抜けたり白髪になったりするのを防ぐ働きがあるということが分かりました。
しかし、歳をとるとこのコラーゲンを破壊する酵素が増え、毛包が縮小してしまいます。縮小した毛包から生えてきた髪の毛は細く抜けやすくなり、抜け毛や薄毛の原因になるということが分かったのです。この研究結果はこれからの薄毛治療に大きな進歩をもたらすに違いありません。
しかし、減少するコラーゲンを補給すれば良いという話ではない
加齢によってコラーゲンが減ってしまうことで発症する、ということが解明されたという今回のニュース。「な~んだ!じゃあコラーゲンを取れば問題解決かっ!」というような簡単な問題ではなく、サプリメントなどでコラーゲンを補給してもあまり意味がないと言われています。
というのも、口から取り入れたコラーゲンは殆どが胃の中で消化されアミノ酸になってしまいます。(もちろんアミノ酸も髪に良い影響があります。)コラーゲンを食べても体に吸収されるのはほんの少しであり、それもすべてが頭皮の毛包に届くわけではないので、コラーゲンを食べるという対策はあまり現実的ではありません。
コラーゲン(タンパク質)は全身に存在し、体を組織する「体内で作られる」栄養素です。
そのため、コラーゲンを摂取するよりも、コラーゲンを合成するためのたんぱく質からなるアミノ酸とビタミンCをしっかり摂る必要があります。
注目するべきはビタミンC
毛包を守るコラーゲンが薄毛を防止するために必要だということが分かりました。しかしコラーゲンやその材料を口から摂取しても、毛髪を作る亜鉛を摂取しても、それらを結びつけるビタミンCが欠けていてはコラーゲンが上手に作られません。
コラーゲンを体内で生成するためには、ビタミンCがなくてはならないのです。
ビタミンCは毛包を守るコラーゲンの生成だけでなく、抗酸化作用によって老化を防いだり、毛根に酸素を送るために必要な鉄分の吸収を高めたりする作用もあります。
サプリメントでもビタミンCを補給することが可能ですが、サプリメントの目的はあくまで「足りない栄養を補う」という目的で作られています。サプリメントだけでなく、毎日の食事にビタミンCを含む食品を取り入れることが大切です。
ビタミンCを多く含む食べ物
- 赤ピーマン
- 黄ピーマン
- ゆず
- アセロラ
- パセリ
- レモン
「薄毛はコラーゲン減が原因」東京医科歯科大 まとめ
今回の東京医科歯科大の研究によって「加齢による抜け毛はコラーゲンの減少が原因」ということが分かりました。コラーゲンが減少することで毛包が痩せ、細い髪の毛が生え、抜けやすい状態になるんです。
しかし薄毛予防のカギになるコラーゲンは、食べ物や飲み物から摂取しても吸収されず、ほとんどがアミノ酸に分解されてしまいます。毛包を縮小させないためには、亜鉛など育毛に必要なサプリだけでなく、体内でコラーゲンが作られるのを助け、育毛にも効果的なビタミンCを摂りましょう。