普段と同じ生活をしているのに急に大量の抜け毛が!この抜け毛、体の異常のサインかもしれません。いち早い受診をオススメしますが「 ひどい抜け毛 」とはどの程度のことを言うのか、まずはこの抜け毛が正常なのか?異常なのか?について説明します。
1日の正常な抜け毛は40本~70本 毛が抜ける仕組み
髪の毛が毎日抜けることに不安を感じる方も多いかと思いますが、一度冷静に本数をチェックをしてみましょう。毎日40~70本程度は平均的な抜け毛の量です。( 50~100本という説もあり )
人の一生と同じように髪の毛にも始まりと終わりがあり、それをヘアサイクルと呼びます。一般的に男性は3~5年、女性は4~6年周期で流れていきます。
(1)成長期・・・最初の3~6年は成長期と呼ばれ、細胞分裂を活発に繰り返しながら成長を続けていきます。頭皮の内側の毛根から、頭皮の外側へとどんどん伸びるため、1週間、1ヵ月と時間が経過するに従って髪の毛が伸びている実感が得られます。髪の毛全体の90%程度がこの状態です。
(2)退行期・・・成長期が終わり次の2~3週間は退行期と呼ばれています。この時期になると細胞分裂が衰え、髪の毛が伸びている実感も弱まっていきます。また、メラニン色素の働きもだんだん弱まり、髪の毛を黒く保つことができず白くなる場合もあります。髪の毛全体の5~10%程度がこの状態です。
(3)休止期・・・最後の約3ヵ月間は休止期と呼ばれ、細胞分裂が全くなくなり、髪の毛が伸びる実感も一切なくなります。また、毛根の下から新しく生えてくる成長期の髪の毛に押し上げられることで自然と抜け落ちていきます。髪の毛全体の5~10%程度がこの状態です。
強いストレスで一時的に脱毛することがあります。
髪の毛が身体の不調や精神的なダメージをそのまま受けてしまうことで脱毛の大きな要因となることもあります。大事な髪の毛を守るためには、髪の毛だけに意識を向けず、日常生活の中でのストレスや体調管理にも気を配ることが大切です。
特にストレスは自覚症状がない場合もあります。
仕事を頑張りすぎて、何かを我慢しすぎて「 嫌だな 」と心が拒否しているならまだ自然とストレス要因に抵抗しているということですが、知らないうちに溜まってしまう無自覚なストレスが一番体への影響として出やすいようです。
髪を触ってハリコシが急になくなった、抜け毛が増えた気がする、これに気付いたときに、
- 最近リラックスしたくてもできない、ということはないか
- 常に何か考えてイライラしていないか
- 凄く嫌だと感じる人が周りにいないか
など、自分の気持ちに目を向ける時間が持てれば、ストレスを溜めているかもしれないということに気が付けるかもしれません。
ストレスを感じているときは交感神経が優位になっている時間が多く、そのせいで全身の血管が収縮し血液の流れが悪くなります。血流悪化は頭皮にとっては栄養不足になる非常事態です。またストレスを感じている時に頭皮が硬くなるという自覚症状が出る場合があります。硬くなった頭皮は肩こりのように揉むとちょっと痛いという感じがします。こんな時は血行不良により筋肉が硬く凝り固まっているからだと考えて良さそうです。
交感神経についてさらに少し言及しますが、ストレスが溜まっていない人でも交感神経が優位でいる状態が多い職業があるそうです。IT系などは全体の90%も交感神経優位の状態にある人がいるという実験を何かの番組で発表していました。
いずれも程よいストレス解消方法を得ることが毛髪の健康に繋がりそうです。
栄養不足で脱毛することがあります
ストレスによる血行悪化により起こりやすくなる栄養不足ですが、勿論ストレスだけが問題ではなく、
単純に無理なダイエットなどによって摂取する栄養素が極端に少なくなり起こるケースがあります。食事制限中に摂る僅かな栄養素は優先順位の高い部位から使われるため、頭皮への栄養補給は後回しになってしまいます。
ダイエットをする場合でも極端な食事制限はせず、バランスのとれた食生活で行うことが大切です。睡眠中に髪の毛が成長するため、良質な睡眠を心がけることでも体内の栄養素の流れをより良くすることができます。
病院で処方された薬が原因で一時的に脱毛することもあります。
薬の副作用で一時的に脱毛が起こることは珍しくありません。代表的なのは抗がん剤。抗がん剤はがん細胞分裂を抑制する作用があります。しかし同時に健全な細胞や毛髪の細胞分裂も抑えてしまうため脱毛が起こります。
身近な体験としては、抗生物質。
リンパ腺が腫れるなどの熱や怪我の炎症でも抗生物質が処方される事が多いです。歯科治療でも処方された事があります。
最近の抗生物質は効果が強いのか、たった3錠(1日1錠)を継続して飲むだけで、1週間その効果があるものもあります。この時、いつもと違うと違和感を覚える程の抜け毛があります。この抜け毛にもかなり驚きますが、炎症等の症状が治まって薬の効果も切れれば自然と治まる抜け毛です。
薬の一長一短というところでしょうか。薬は症状を抑える効果があるので、なかなか避けられないものですが、毛髪以外の体の細胞にも影響しているんだろうなと考えると薬に頼りすぎ無いように心掛けたいと思う所です。
AGA発症
AGAが発症した場合の脱毛は、頭頂部や額の生え際のどちらか、もしくは両方が抜けていくことが特徴的です。また徐々に進行していくため、発症してから頭髪のケアを始めるのではなく、早い段階で治療することで短期間で改善させることが可能です。
AGAの発症は40代以降で急増してきますが、20代で発症するケースもあります。今では20~80代まで幅広い年代の方が治療を受けられるので、年齢に関係なく後回しにしないことが大切です。
AGA治療の初期脱毛
AGA治療を開始してから一番驚くことは初期脱毛かと思います。この最初の難関さえ乗り越えてしまえば、育毛実感が少しずつ出てくるはずです。初期脱毛の仕組みを理解し冷静に対処しましょう。
初期脱毛とは、AGA治療の外用薬や育毛剤を使用することで起こる脱毛のことです。髪の毛を生やすつもりが逆に抜け落ちてしまうことで「 自分に合っていないのではないか?!」と不安を覚える人も多いのですが、これは誰にでも起こることなので心配はいりません。
なぜ初期脱毛が起こるのか?
それは発毛促進効果によって新しい髪の毛が生まれ、頭皮の中から、休止期のまま毛穴に留まっていた毛髪を押し上げ脱毛させるからです。
これは活発に発毛が行われている証拠なので、初期脱毛は改善している傾向だといえます。初期脱毛は育毛のために最初に必ず必要なこと。休止期の髪の毛が全て抜け落ちてしまえば、初期脱毛は終わりです。
頭皮や髪の毛の状態によって個人差が大きいですが、一般的には育毛剤の服用開始後1~2週間で初期脱毛が始まり、1~3ヵ月の間で終わることが多いようです。悲観的にならずに見守ってAGA治療を続けていくことが大切です。
抜け毛が急にひどくなった!原因と対策 まとめ
抜け毛と一言にいっても、その原因によって対処法は大きく変わってきます。闇雲に様々な育毛方法を試すよりはまず自分の状態、抜け毛の原因を突き止め正しく対処していくことがより早い改善に繋がります。