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円形脱毛症、シャンプーや育毛剤で対策できるのか?

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毛髪が急激に抜ける症状の一つに「円形脱毛症」があります。硬貨のように丸く脱毛するのが円形脱毛症というイメージですが、「全頭型」や「逆蛇行型」などAGAの症状に似た症状もあります。円形脱毛症は皮膚科の治療なのでAGAとは違った対策が必要です。

見極めが素人には難しいタイプの円形脱毛症がある

円形脱毛症と言えば10円ハゲとも呼ばれる、丸く脱毛してしまう症状ですが、実はそれだけではなく、様々な円形脱毛症があるんです。

単発型

一番多く発症する円形脱毛症であり、年齢問わず誰にでもできる可能性があります。10円~500円玉大の円形または楕円形の脱毛がみられ、放置しておいても多くの場合は1年以内に自然に治ることが多いのですが、中には脱毛個所が増えたり脱毛個所が広がったりして「多発型」に移行してしまうこともあります。

多発型

脱毛個所が2か所以上できると「多発型脱毛症」と呼びます。場所によっては見つけることができず、単発型だろうと治療をせずに放置してしまうと、2カ所以上の脱毛個所がくっついて大きな脱毛個所を作ってしまうこともあります。この症状が悪化すると「全頭型脱毛症」へと移行する恐れがあります。

全頭型脱毛症

多発型脱毛症の脱毛個所が繋がり、最終的に全頭がすべて抜けてしまう状態です。ここまで悪化してしまうと完治までは長い道のりとなり、なかなか治りません。ここまで症状が進んでしまう前に、医師に相談して早めの治療を受ける必要があります。

蛇行型

生え際の髪の毛を中心に抜けてしまう状態を、蛇行型脱毛症と呼びます。蛇が這った後のように脱毛することから、この名前になっています。抜ける箇所は襟足の生え際、耳の上などに起こりやすく、こちらも放置すると「全頭型脱毛症」に移行する恐れがあります。

またこの逆の箇所、襟足の生え際や耳の上以外が脱毛することを「逆蛇行型」と言います。これはAGAの薄毛の進行箇所ととても良く似ています。

汎発性脱毛症

円形脱毛症から始まり、頭髪がすべて抜け落ちる全頭型脱毛症が進行すると、髪の毛だけでなく眉毛やワキ毛といった身体中の毛が抜け落ちる汎発性に移行します。全頭型脱毛症よりも完治がさらに難しくなり、根気のいる治療が必要となります。

これらの中で蛇行型・全頭型・汎発性脱毛症は難治性脱毛症とも呼ばれ、完治が難しい円形脱毛症です。小さな円形脱毛症のうちは様子を見ていても大丈夫ですが、1年以内に治らなかったり2つ以上できた時点で、すぐに病院での治療を受けることが望ましいです。

原因はストレス、というわけではない。

円形脱毛症と言えばストレス!というのが一昔前の常識でしたが、今はストレスだけが原因ではないことが分かってきました。赤ちゃんでも発症する可能性のある円形脱毛症は、自己免疫疾患、遺伝、ストレス、アトピー体質、抜け毛癖、ホルモンの崩れが原因だと言われています。

なぜ脱毛するのか?

赤ちゃんや子供に発症する円形脱毛症や、大人に発症する全頭型脱毛症は自己免疫疾患が疑えます。自己免疫反応という、身体にウイルスが入ったときに攻撃する機能。この機能が毛根をウイルスや細菌だと勘違いして攻撃してしまうことで脱毛が起こるのです。

また自己免疫反応のターゲットがメラニン色素に関連するタンパク質であるため、白髪が増えることが多いです。

他にも、円形脱毛症を発症する患者にアトピー性皮膚炎を持っている人が多いこと、家族に円形脱毛症の人がいると発症しやすいと言われていますが、そのメカニズムははっきりしていません。

AGAか?円形脱毛症か?わからない場合の対処法

AGAか円形脱毛症なのか、自己判断が難しい時は皮膚科を受診してください。

皮膚科での主な検査方法

  1. 触診と指診ダーモスコピーという機器を使い、皮膚を拡大で見て髪の生え方や皮膚の状態を検査します。
  2. 髪を抜いて、その抜けやすさを確認します。
  3. 抜いた髪の毛根の状態を確認します。
  4. 血液検査で自己免疫疾患による脱毛症か、ほかの病気の可能性を確認します。
  5. 組織検査で外側からでは確認しにくい頭皮の内側の細胞を検査します。

円形脱毛症の治療

円形脱毛症の治療方法は症状の程度によって異なり、治療期間は数か月で完治する人も入れば、10年以上治らない人もいます。

単発性や多発性の初期の場合

ステロイド外用薬やアレルギー症状を抑えるグリチルリチン、白血病の治療にも使われているセファラチンという服用薬が処方されます。

難治性円形脱毛症(蛇行型・全頭型・汎発性)の場合

・ステロイド注射
毛根を攻撃してしまう自己免疫を抑制するステロイド注射を頭皮に投与。注射した箇所がへこんでしまったり、投与時にかなりの痛みが伴ったりすることもあります。

・雪状炭酸圧低療法
脱毛している箇所をドライアイスなどで冷やして毛根に刺激を与えるという治療を、週に1~2回行います。

・液体窒素療法
ガーゼや綿棒に液体窒素を含ませて、脱毛個所を冷やす方法です。雪状炭酸圧低療法の方が新しいものになります。

・ステロイドパルス療法
点滴によって通常の内服薬などで摂取する10倍以上の濃さがあるステロイドを、時間をかけて投与します。副作用のリスクが高く、難治性脱毛症の治療に使われます。

・局所免疫療法
かぶれ治療とも呼ばれ、抜け毛の個所をわざとかぶれさせます。かぶれの原因薬によって自己免疫機能が‘抑制され発毛させます。

自分でできる円形脱毛症対策

円形脱毛症の脱毛を発見したらまずは様子を見ましょう。大きくなったり数が増えたりしたらすぐに病院へ!不安な人は円形脱毛症ができた時点で医師の診察を受けるのがもちろん安心です。

円形脱毛症に育毛剤は?

育毛剤は髪を育てるものであり、抜け毛を抑制するものではありません。円形脱毛症治療には向いていません。

シャンプーは?

炎症により頭皮や毛髪が痛みパサつくので、シャンプーは保湿効果のあるものを選びましょう。せっけん系やアミノ酸系など肌に優しいシャンプー剤が良いです。

シャンプーはしない方がいい?

抜け毛が怖くてシャンプーを控える人がいますが、円形脱毛症はシャンプーが原因ではなく、シャンプーを控えても控えなくても、どのみち抜けてしまいます。逆に汚れを落とさないでいると頭皮環境の悪化を招くので、1日1回はシャンプーをしましょう。

円形脱毛症、シャンプーや育毛剤で対策できるのか? まとめ

円形脱毛症には、単発型・多発型・蛇行型・全頭型・汎発性脱毛症があります。蛇行型・全頭型・汎発性脱毛症になると、難治性脱毛症とも呼ばれ完治まで何年、何十年もの年月が必要になることもあります。しかし、どれも小さな単発性脱毛症から始まります。

難治性脱毛症になるまで放っておくと完治までの道のりが長いだけでなく治療に痛みや副作用のリスクも出てくるため、円形脱毛症の治療は早めに始めましょう。

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