毎日の食事で何を食べるかは、薄毛対策に大変重要です。誰もが知っている通り、「食べ物が体を作っている」からです。
そして現代の食生活が薄毛の原因になっているとも言われています。
食べた物で体が作られる。髪の毛もまた然り。
髪の毛を始め、体を作っているのは主にタンパク質。髪の毛の90%はケラチンというタンパク質からできています。ケラチンはアミノ酸「メチオニン」からできており、体の中では生成できないアミノ酸のため食事から摂ることが必須とされています。(必須アミノ酸)
また、体をつくる材料となるタンパク質がたくさんあるだけでは、体は作られません。食べた栄養が体の材料として使われるには、ビタミン・ミネラルの働きが必要です。ビタミン・ミネラルが潤滑に働いて初めて、タンパク質が体の細胞へと作り変えられます。
戦後から薄毛の人が急激に増えた
最近、薄毛に悩む男性の若年化(10代、20代から薄毛を訴える人が増える)していることから、薄毛には食生活の欧米化が問題になっていると言われています。
しかしこれは、米からパンに、魚から肉に、付け合せが漬物からマッシュポテトに変わったから、だけでは無いと思います。
戦前、日本人が食べていた食事は、米、味噌汁や漬物などの発酵食品、魚など良質なタンパク質と脂を含む自然に近い食品が主でした。海外や美容業界で、日本食が見直されているように、健康的でバランスの良い食事といえば和食、あるいは粗食です。
しかし若い男性、特に独身者に多くなりがちなのが、コンビニ食や冷凍食品などの加工食品、またパスタやラーメン、うどん蕎麦等の単一食品です。ヘルシーでダイエットに良さそうな蕎麦ですら、栄養が偏り、不足してしまう点では健康的とは言えません。偏った食事では髪を育成する栄養が満足に取れず、髪を作ったり頭皮の環境を整える為の材料が不足します。
逆に、過剰に摂ってしまう質の悪い油や、糖質、アルコールが肥満や血流の悪化を招き、頭皮の血行の阻害、栄養不足を引き起こし、髪が元気に育たなくなる、ゆくゆくは毛穴が機能しなくなってしまうということが起こります。
大切なことなのでもう一度言います。私たちは食べたもので体が作られています。今現在生えている頭髪も同じく、過去に食べてきた食事によって作られています。薄毛対策をする上で、これから書く食習慣に心当たりがある人は、早急な見直しが必要。むしろ、必須です。
具体的にどんな食生活が薄毛の原因になりうるのか、を書いていきます。
薄毛の原因になりうる食品
単一食品
ラーメン・パスタ・うどん・蕎麦など主に穀類のみで完成されている食事です。これのみだと、炭水化物、脂質しか採れないこととなり、体を作るタンパク質、体を機能させるビタミン・ミネラルが不足します。
時間の限られる社会人にとって、手っ取り早く安価に済ませる昼食には、なくてはならないメニューですが、なるべく定食などバランスの良い物を食べるか、単一食品に付け合せたり(サラダ・漬物・フルーツ等)やサプリメントでの補給など、一工夫が必ず必要です。
ダイエット食品
ダイエット中は肉や脂を避けることが昔は常識のようでしたが、現在はそれらが「間違ったダイエット法」だということが分かっています。得に女性の場合、ダイエットが原因の薄毛を訴えるケースも多く、これは典型的な栄養不足といえます。
体を作るタンパク質や細胞の潤滑油となる脂を極端に減らしてしまっては髪が育たないだけでなく、頭皮を含め、肌が荒れ、皮膚に必要な潤いも減ってきます。肌の痒みを訴えることが多い人は、タンパク質が不足している場合が多いそうです。
ダイエット中だからといって、極端に食事量を減らし、栄養バランスを崩すということなく、良質なタンパク質と脂質を適度に摂ることは、頭皮の肌荒れ対策にもなります。
また「肉を減らすべきだ」というのは主に欧米人の場合で、日本人は基本的にはタンパク質が不足している人が多いため、男女年齢別に基準とされている必要なタンパク質、脂の適正量を知ると、こんなに食べなきゃいけないのか!と驚くケースが多いようです。
食品添加物の多い食事
スナックやインスタント食品だけでなく、コンビニのお弁当、スーパーのお惣菜などには食品添加物が多く含まれます。腐敗や食中毒を避けるための保存料や酸化防止剤。美味しそうに見せるための着色料や、発色剤、光沢剤などありとあらゆる添加物が食品に混入されています。
これらは自然界に元々存在しない合成化学物質であることが多いです。自然界にないものは人間の体では消化ができません。これが体にとって大きな負担になります。
胃などの消化器官は食べたものを分解し栄養素として吸収するため、消化できない化学物質も一生懸命消化しようとします。この無駄な労力は実はとても大きなもので、人間の限りあるエネルギーの多くがこの消化のために消耗されます。
消化にばかり負担がかかると、その他の生きるための活動(例えば新しい細胞を作る、体の老廃物を廃棄する、傷を修復するなど)が疎かになります。外部から栄養を体内に取り込む消化活動は、生きるために一番必要な活動のため、何よりも優先的に行われます。結果、髪を生やすという、あまり生命を維持するためには直接的影響のない活動は後回しとなり、髪を生やす機能が退化してしまう原因になります。
食材を買い自炊をする以外、食品添加物を避けることは正直難しいです。シェフが作るレストランでの食事ですら、どんな食材が使われているか分かりません。農薬・防腐剤・家畜の餌まで言及すればキリがありません。
なので、どうしても避けられない場合以外は、自主的に食品添加物を避けるべきです。
食品添加物の一つ一つは国が安全を確認し認可した物ばかりです。しかし、一つの食品には、複数の添加物が使われています。単一では安全でもこれらを複数組み合わせ、毎日毎食、大量に摂るとどうなるか。このような最悪の状況下での安全性に関する実験、報告はされていないのが現状です。
即席のインスタント味噌汁と、出汁から丁寧に作った手作りの味噌汁では、栄養価が少し異なります。インスタントに含まれる安定剤や保存料は勿論のこと、フリーズドライ(お湯でもどるネギや豆腐など)は肝臓に負担がかかると言われています。
加工食品
加工食品とは、冷凍食品やスナックなどの加工された食べ物です。ここでの問題は先述した食品添加物、そして大量の砂糖の添加、そして食材が熱加工され酵素が生きていない、という点です。
特にスナックなどの加熱食品は、加工時に水分が失われているため重量に対するカロリーが高いです。こんなものをお腹いっぱい食べてしまうと、酸化した脂や過剰な糖質を想定以上に摂取することになります。糖質の摂り過ぎは糖化といって血管の炎症を引き起こすなど、最近では活性酸素と同レベルで問題視されています。
また、酵素の生きていない熱処理された食品も消化に負担がかかり、生きるためのエネルギーの大半を消耗します。このような食生活が直接的に病気の原因とならなくても、健康への害、ゆくゆくは薄毛の原因にはなっていると言わざるを得ません。
野菜が嫌いだから食べたくない?
「そんなこと言ってるから、薄毛で悩んでるんじゃねーの?」そう厳しく言われてしまえばぐうの音も出ません。嫌いなものを食べるというのは、大変なことかもしれませんが、工夫はいくらでもできます。
また、野菜やフルーツを豊富に食べるメリットちゃんと理解することも大切です。野菜・果物にはビタミン・ミネラルが多く含まれますが、それらをサプリメントで補えるかというと、意外とそうもいかないようです。
生の野菜には酵素が含まれます。酵素は熱に弱いため生の野菜にしか含まれず、自分自身を分解する力を持っています。発酵も酵素の働きによるものです。酵素の発酵は、胃での消化を助けるため、消化のためのエネルギーを節約し、その分を体を作ったり回復させる方(代謝といいます)に回せるという利点があります。
また、ファイトケミカルといって未だ全てが解明されていない植物ならではの栄養も多く含まれており、これらはサプリメントでは補えません。(植物の持つ強い抗酸化力などもそれに含まれます。)
男性、特に若い男性に多い、野菜嫌い。フルーツも面倒で食べる習慣がないという意見も良く聞きますが、そんな食生活が薄毛の原因になっているとしたら、改善しないことには薄毛の原因は取り除けません。
栄養バランスを整え、体を整えることは「育毛法」の一番ベースになり、この土台がしっかりしていない限り、育毛剤やマッサージ等、どんな育毛対策もうまくはいかないのです。