薄毛の原因がAGA(男性型脱毛症)や頭皮環境悪化の場合、血行不良を解消しただけでは目に見えた改善はできません。しかし血行不良が原因で毛髪の成長が阻害されていたり、血行を促進させようと間違ったケアをしたりすると、より一層薄毛を促進させてしまいます。
血行不良は毛髪にどのような影響を及ぼすのか。また、正しいケアはどのように行うものなのか、をこのページで紹介します。
血行不良で毛髪にはこんな影響が起こる
私達が毎日食事から栄養を摂るのと同じように、髪の毛も成長するためには栄養が必要不可欠です。また、私達がただ毎日食事を摂っているだけではダメで、栄養を届ける血液が毛根まで届かなければ髪の成長を助けることはできないのです。
もし栄養が毛根に届かずに栄養不足に陥ると、髪の毛はどんどん細くてコシのない貧弱な状態になります。更に、毛母細胞の細胞分裂がされなくなり、毛根が弱く抜け落ち落ちやすい状態に。
つまり、血行不良で栄養が行き届かないと薄毛や抜け毛を招くことになる、ということです。頭皮環境を改善しても、サプリメントで栄養を補っても、血行が悪ければ髪の毛は成長できないのです。
血行不良はなぜ起こる?
現代社会は血行不良を招く要因が日々の生活の中にたくさん潜んでいます。対策方法を考える前に、まずは何が血行を悪くしていたのか知ることが大事です。
喫煙
喫煙は血管を収縮させるため、血行が悪くなって毛根に栄養が行き届きにくくなってしまいます。
ストレス
ストレスは自律神経のバランスを乱します。自律神経が乱れると血管が収縮するので、この場合も毛根まで栄養を届けることが困難になります。
運動不足
適度な運動は身体の代謝を高めて血行を良くします。心臓から一番遠い足をしっかり動かすことで血液循環が良くなりますが、逆を言うと、デスクに座りっぱなしでいる等、敢えて動かなければ血流は停滞気味になります。毎日の通勤だけでは意外と運動不足を解消しきれていない場合が多いようです。
パソコンやスマホによる眼精疲労
目は頭皮にとても近い部分に位置します。パソコンやスマホを長時間使うことによって引き起こす眼精疲労は、目の周りの筋肉から頭皮にかけて、血行を悪くする原因になるんです。
肩こり
肩こりが血行不良を招いているというよりも、血行不良が肩こりを招いていると言った方が正しいです。肩がこっていると感じたら頭皮の血行も悪くなっていることが多いです。肩の筋肉「僧帽筋」は頭に向かうにつれ名称が変わりますが、首の筋肉、頭の筋肉、目の筋肉へと繋がっています。肩こりで悩む人は同時に首、頭、目と筋肉の硬直を感じている、もしくは自覚がなくてもその影響を受けている可能性が大きいです。
次から、それぞれの具体的な対策について紹介します。
タバコは百害あって一利なし!喫煙が薄毛や血流に与える影響と対策
タバコに含まれているニコチン。このニコチンには血管を収縮させてしまう作用があります。頭皮の毛細血管は細いため、血管収縮によって末端まで充分な血流がいかなくなると、栄養が毛母細胞まで届けられない、ということが起こります。
タバコの害は他にもあります。タバコを吸うことでAGAの大きな原因だと言われているジヒドロテストステロンを増加させるということが、最近の研究で明らかになりました。ジヒドロテストステロンはヘアサイクルを乱す原因になり、抜け毛が起こりやすくなります。
しかし、タバコはなかなか止められないもの。
街中には沢山の喫煙者とたばこの広告、呑み会では誰かしらタバコを吸っています。止めようと決心した途端、タバコの吸えない虚しさを強く感じ、周りの喫煙者がとにかく気になるようになります。
まずは簡単には止められないと自覚することも大切です。自分だけで頑張ろうとせず、家族や友人、職場の人の協力を得たり、医療機関の禁煙外来で医師の指導の元、なるべく無理のない禁煙から始めるのがコツです。
電子タバコも流行っていますね。口の寂しさを紛らわしたり、タバコとは別の、タバコのような習慣に変えるというのも良さそうです。
ストレスで薄毛になる仕組みと対策
ストレスと自律神経は関わりが深く、この2つの要素が薄毛を引き起こす原因になる事があります。自律神経とは活動時に働く交感神経と、リラックス時に働く副交感神経、2つの神経からできています。
通常はこの2つの神経がバランスよく働くことで体が正しく機能しています。しかし不安やストレスを感じると、まずこの自律神経のバランスが崩れます。交感神経が優位になると血管が収縮され筋肉により多くの血液が送られますが、この状態が続くと毛髪を含む体のあらゆるところで栄養不足が起こります。副交感神経が優位になりすぎても血液がどろどろになり血行が悪くなる原因を作ります。
自律神経はバランスの良い状態でいることが望ましいです。そのためにはストレスを上手に解消することが大切。
ストレスは簡単に解消できないから体に影響してしまうんだ!と言えばそうですが、考え方、心の持ちよう、目的を持つなどで乗り越えられることも多くあります。現代人に多いストレス。自分なりの解消方法を一度本気で探してみるものお勧めです。
運動不足で起こる弊害
運動不足は薄毛の他にも、体に良くない影響をもたらします。運動をしていない身体はもちろん筋肉量が少ないです。筋肉量が少ないと血液の循環が悪く、それによって新陳代謝も落ちています。そうすると、
- 太りやすくなる
- 動脈硬化などの心疾患や糖尿病になるリスクが高い
- 便秘になる
- うつ病を発症しやすくなる
運動と薄毛予防は一見関係がないように思われますが、運動をすることで薄毛の原因を解消することができます。
- 夜しっかり眠れる…髪の成長に必要な成長ホルモンが分泌される
- 身体が温まる…血行が良くなり栄養が毛根に届く
- 食欲が出る…食欲不振による栄養不足が解消
- ストレス解消…身体を動かすことはストレス解消に効果的
普段、運動をしていない人が始めると筋肉痛で痛い思いをしたり、仕事に支障をきたすこともあるかもしれません。しかし、継続していくと人間は成長するもので、走る距離が伸びたり、運動神経が良くなったりと進化を感じ楽しくなると思います。薄毛対策をキッカケに運動不足を解消し健康維持もできると嬉しいですね。
肩こりにも要注意!血行が悪くなっているサインかも!
デスクワークや長時間のパソコン、スマホによる眼精疲労や肩こりを放っておくと頭皮の血行不良の原因になります。凝り固まった筋肉では血液がスムーズに流れないため、血行が悪くなってしまうんですね。
肩が凝ったら「血行が悪いよ!」という身体からのSOSです。症状が重くなる前に肩こりを解消するのはもちろん、血行が良くなるような対策をしましょう。
血行を促進するための簡単な習慣とお助けアイテム
血行を良くするためにできること。ここでは誰でも簡単に取り入れられる血行促進の習慣を紹介します。
入浴
血行を促進させる入浴方法は「半身浴」です。首まで湯船に浸からずに、へその下まで浸かって38℃くらいのぬるめのお湯で20分!のぼせにくいので、続けやすいです。
簡単なストレッチ
肩周りのコリに効くストレッチを意識して行うようにしましょう。両手を組んで真上に伸ばしたり、肩をぐるぐる回したりとデスクで座ったままできるストレッチを習慣的に行うのが大切です。1時間仕事をしたら1回簡単なストレッチというようにコマメに行うことがポイントです。
サプリ
身体を温めて血行を良くする働きのあるサプリメントを飲むのも効果的です。中でもカプサイシンは血流を良くする他、ダイエットや高血圧、コレステロール値をさせる働きがあるのでお勧め。発毛に必要な成長因子を作り出すにも、カプサイシンは効果的です。
注意!頭皮マッサージで逆効果も!
血行を良くする方法に「頭皮マッサージ」がありますが、過度のマッサージで毛細血管を痛めて、逆に血行を悪くしている事もあるそうです。
マッサージ方法はたくさんありますが、いずれの方法でもマッサージする時は、
- 力を入れすぎない(気持ち良い程度の力加減で)
- 汚れたブラシやマッサージに適さないブラシは使わない(頭皮を痛めたり、雑菌繁殖の原因に)
- 指の腹を使って、爪を絶対にたてない(頭皮を傷付けると雑菌が入り炎症の原因に)
- 深呼吸しながら行う(とにかくリラックスを重視)
これらに注意して効果的なマッサージを行いましょう。